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健康福祉常任委員会

12月12日…請願審査(こども病院ポーアイ移転中止、年金引き下げ回復、障害者総合福祉法制定、現行の保育所基準維持・向上、看護師増員等)

2011年12月12日

(病院局関係)

(1 請 願 審 査)
 (今期定例会で付託されたもの)
   第15号  県立こども病院のポーアイ移転計画を中止し、拡充を求める件
を議題とし、審査の参考とするため、企画課長の意見並びに現状報告を聴取した後、質疑並びに意見の開陳を行った。

(きだ 結委員)
 日本共産党から、質疑と態度表明を行う。
 夏にパブリックコメントを実施したが、その時点では、立地場所の条件だけが示され、ポートアイランド等の候補地は盛り込まれていなかった。また、それと前後して、医師会など地元関係者から移転先としてのポートアイランドという土地に不安が出ている。移転候補地を盛り込んだパブリックコメントを実施すべきだと考えるがどうか。

企画課長(中島明彦)
 整備場所については、今後定める基本計画において、複数の候補地の中から比較検討した場所を1ヵ所決めて、それをもって整備場所として決定したいと考える。

(きだ 結委員)
 ポートアイランド以外にも考えている候補地はあるということか。

企画課長(中島明彦)
 現地以外にも、移転整備をする場合にはポートアイランド以外の候補地も含めて検討しているところである。

(きだ 結委員)
 その候補地はどこか。

企画課長(中島明彦)
 内部で検討中のため、この場ではお答えすることができない。

(きだ 結委員)
 地元の医師会などは、今回の東日本大震災を受けて、なぜ内陸部にある病院をわざわざ沖合のそれも埋立地に持って行くのか、と防災面から非常に懸念している。こども病院程の規模の病院は、どのような災害があっても拠点病院として患者の受け入れを行わなければならない使命があることから、何をおいても防災面を最優先にして考える必要がある。ポートアイランド2期の土地は、阪神・淡路大震災の時は、まだ埋立地として整備されていないので、地震の洗礼を受けたことになっていない。また、1期の土地は、液状化した後、土壌改良もされていない。そのようなところに病院が建っていても、アクセスできない。ドクターヘリのヘリポートを設置すると言うが、大災害が起きたときにヘリコプターでは運べる人数は少なく、患者を運ぶことが非常に困難であることは、阪神・淡路大震災の時に経験済みである。ポートアイランド以外の候補地があると言うが、地域医療再生計画としてこれを盛り込んだ計画を国に提出している。しかし、医師会や請願者である開業医の団体など関係者の強い反対と批判の声があり、県民の合意を得られた計画では全くない。また、本請願にあるように地域医療再生計画の条件は、そもそも病床削減や病院の統廃合により、地域医療を再生する、縮小するということを眼目に置く計画であり、県立こども病院の果たすべき役割から見て、機能を縮小するのではなく充実されるべきであることは当然である。よって、採択を強く求める。

(審査結果)
 以上で質疑並びに意見の開陳を終局し、直ちに表決の結果、第15号については、賛成少数で不採択とすべきものと決した。

 

(健康福祉部関係)

(2 請 願 審 査)
 (今期定例会で付託されたもの)
   第16号  無年金・低年金者への基礎年金国庫負担分3.3万円の支給を求める意見書提出の件
   第17号  年金受給資格期間の10年への短縮を求める意見書提出の件
   第18号  0.4%の年金引き下げをもとに戻すとともに、物価指数による年金引き下げを行わないこと
         を求める意見書提出の件
   第19号  消費税によらない最低保障年金制度の創設を求める意見書提出の件
   第20号  障害者総合福祉法の制定を求める意見書提出の件
   第21号  保育所の施設基準の条例化に当たって、現行の保育所基準を維持・向上させることを
         求める件
   第22号  保育所最低基準に関する条例化に当たって、現行の保育所最低基準を守り向上させることを
         求める件
   第23号  「子ども・子育て新システム基本制度案要綱」に反対する意見書提出の件
   第24号  社会保険診療報酬に係る消費税非課税制度の是正を求める意見書提出の件
   第25号  看護師の増員等に関する件

 以上10件を一括議題とし、審査の参考とするため、社会援護課長、障害福祉課長、児童課長及び健康福祉部参事兼医務課長の意見並びに現状報告を聴取した後、質疑並びに意見の開陳を行った。

(きだ 結委員)
 まず、請願第21号及び第22号、第25号についての質疑を行う。
 請願第21号及び第22号については、保育所最低基準の条例化が地方に委任されるということだが、現行基準の全項目が条例化されるのか、対象とならない項目があるのか。

児童課長(竹内良二)
 国が定める児童福祉施設最低基準を従うべき基準と参酌すべき基準とに分けて、条例化することとしている。

(きだ 結委員)
 本会議での知事答弁において、基本は最低基準を守って条例化するとのことであったが、例えば、調理施設が必置となっているのはどうなのか、規制緩和してもいいのでは、という答弁があったので、重大だと思い質問した。最低基準を維持向上させるための条例化を行うよう要望する。
 次に、請願第25号について、第7次看護師需給見通しにおける今年度の充足状況をどう認識しているのか。

健康福祉部参事兼医務課長(野原秀晃)
 23年度末で5万7,452人、97.9%である。

(きだ 結委員)
 一定充足しているという見解だと思うが、現場では都市部であっても民間の中小病院ではそのような実感はないと言われている。今、多様な働き方が言われている中、子育てや介護をしながら、実労働時間が8時間に満たない働き方をする看護師も1名としてカウントされている状況である。次に、看護師の紹介業者の実態を把握しているのか。

健康福祉部参事兼医務課長(野原秀晃)
 業者を利用している看護師や病院から実態を聞いている。中には、きちんとした人材派遣を行っている業者もある。ということは、需要と供給があり、事業として成り立っているとも言えるが、紹介料が法外に高いという問題がある。このことについては、業者を利用しなくても、比較的安価な料金もしくは無料で各病院に配置できるようマッチングを行う新たなナースセンター事業を県看護協会と現在展開している。業者を全て排除することはなかなか難しい。

(きだ 結委員)
 紹介料が高いことを把握しているとのことだが、紹介手数料は成功報酬で想定年収の20%と言われている。中堅ナースで年収473万円の場合、成功報酬が約94万円と100万円近くかかる状況である。法外な値段で看護師の商品化が行われていること、また、このような業者が商売として成り立つぐらい民間病院は慢性的な看護師不足に悩まされていることを、ぜひつかんでいただきたい。次に、県下に看護大学も増設され、県立看護専門学校の役割がなくなりつつあるということだが、学費の差を把握しているか

病院局経営課長(藪本訓弘)
 県立看護専門学校の授業料は、無償化される前の高等学校と同じ、年額11万8,800円、月9,900円である。一方、民間の専門学校は30~50万円、看護大学は国公立で50万円台、私立で100万円程度である。

(きだ 結委員)
 大学に4年間通うとなると、私立学校では、約600~700万円かかる。それに比べて、看護専門学校の場合、3年間で約63万円で済む。経済格差が広がる中、看護専門学校の役割を大学が担えるかというと、学費の違いもあり、必ずしもそうでない。県立看護専門学校が果たしてきた役割を評価されたい。最後に、全国の奨学金制度の状況について把握しているか。

健康福祉部参事兼医務課長(野原秀晃)
 本県と外2県のみ廃止されているが、それ以外の各都道府県では奨学金制度が継続されていると聞いている。

(きだ 結委員)
 ほぼ全ての都道府県で貸与の奨学金制度がある中、本県だけが、県立病院に勤務する意志を有する者に限った奨学金になっている。看護師確保対策については、この面から見ても非常に逆行していると言わざるを得ない。
 続いて、日本共産党の態度表明を行う。
 請願第16号ないし第19号について、日本の年金制度は歴代政権のもとでの改悪により支給額が年々減らされ、本来は老後の保障であるはずの年金だけではとても生活できないという不安と怒りが広がっている。日本の年金制度の最大の問題点は、日々の生活を賄えない低年金、無年金の人が膨大な数に上ることである。厚生労働省の資料では、国民年金しか受給していない方は約1,000万人、その平均受給額は4万8,000円に過ぎない。全ての人が現在から将来にわたって安心、信頼できる年金制度を作っていくことが必要である。受給に必要な25年という長すぎる受給条件の期間は、不安定雇用で働く若者を初め、国民の中に年金制度に対する不信を広げている大きな要因の一つである。せめてアメリカ並みに年金受給のための最低加入年数を10年以上に引き下げることを求める願意は当然である。また、その際に、消費税に財源を求めるべきではない。消費税は毎日の消費に一律にかかり、無年金・低年金者など所得が低い人ほど負担が重くなる最悪の不公平税制である。それを財源に組み込むことは、年金の切り下げか、消費税の増税か、という二者択一を国民に迫るものとなり、どちらの場合でも国民は負担増を強いられることになる。社会保障の財源は、大型公共事業や軍事費などの浪費を削減するとともに、所得や資産に応じて負担するという原則のもと、大企業や高額所得者に応分の負担を求めれば十分に捻出できる。消費税によらない最低保障年金制度の1日も早い実現を求める請願第19号の願意は当然のものである。また、最低保障年金制度が実現するまでの間、せめて、現行の国民年金満額6万6,000円が支給される場合の国庫負担分3万3,000円を支給額がそれに満たない低年金者や無年金者に支給することにより、救済することを求める請願第16号の願意も憲法第25条の生存権を保障する見地から当然であると考える。このように、厳しい年金生活者に対し、今年4月、物価スライドによる年金額引き下げが行われた。願意にあるように消費者物価指数の低下は、高齢者の生活に関連するものではなく、その是正を求める願意は当然である。以上のことから、請願第16号ないし第19号の採択を強く求める。
 次に、請願第20号について、当事者、国民の強い反対を押し切って成立した障害者自立支援法は、ご飯を食べることやトイレ、お風呂に入ることなど障害者が生きるための最低限の権利を利益とみなして、障害を自己責任とする応益負担を導入したものである。憲法に定められた法の下の平等に反すると、2008年障害者自立支援法違憲訴訟が原告71人、弁護団170人で起こされた。2010年1月7日、和解した国と障害者自立支援法違憲訴訟団との間で交わした基本合意文書では、障害者自立支援法の廃止と障害者総合福祉法の制定の確約と、自立支援法の総括と反省として、十分な実態調査をせず、障害者の意見を聞かず、応益負担を導入したことにより、多大な混乱を招き、障害者の人間としての尊厳を傷つけた、と表明している。そして、自立支援法に代わる新たな障害者総合福祉法を遅くとも2013年8月までに実施するとされた。これに基づき、2010年1月に内閣府に設置された障害者制度改革推進会議で障害者権利条約と障害者自立支援法訴訟団との基本合意文書を2つの指針として検討を重ねてきた。2011年8月30日に推進会議の総合福祉部会は、当事者を含む55名の委員の意見や立場の違いを超え、委員一致で障害者総合福祉法の骨格に関する提言をまとめた。この経過から見て、委員一致でまとめられた提言に沿った法律を作ってほしいという願意は、全く当たり前のものであり、大いに同意できることから、その採択を強く主張する。
 次に、請願第21号及び第22号については、いわゆる地域主権改革一括法により、保育所の最低基準や高齢者・障害者施設の設置・管理運営基準など、福祉や教育分野でナショナルミニマムを保障する国の責任が、地方への条例委任化などによって投げ捨てられることは極めて重大であり、我が党は強く批判してきたところである。全国どこに住んでいようと、憲法上の権利が等しく保障されることは当然であり、そのために国は責任を果たすべきである。保育所の設置基準は、保育を受ける全ての子供のすこやかな発達を保障する上で最低限必要な基準として、どこでも守られるべきであり、法律においても従うべき基準として示された。したがって、県での条例化に当たっては、最低限の基準を維持することはもとより、県民・関係者の意見をもとに、より良いものとして向上させることは当然である。よって、採択を主張する。
 次に、請願第23号について、子ども・子育て新システム基本制度案要綱は、児童福祉法第24条に基づく市町村の保育の義務をなくして、保護者と保育所の直接契約方式にし、保育料は所得に応じた負担から、保育時間の長さやサービスなどに応じた応益負担にするなど、保育を市場原理に委ね、公的保育制度を解体するものである。保育の市場化、営利化は、保育をお金次第とするもので、子供のすこやかな育ちを保障することとは相入れない。要綱は撤回すべきである。本県議会は、昨年12月に、児童福祉施策としての保育制度を維持することを求める意見書を提出しているところであるが、政府が子ども・子育て新システムを来年の通常国会に提出しようとしていることから、これについて反対し、公的保育を守る立場を表明すべきと考える。よって、本請願の採択を強く求める。
 次に、請願第24号については、従来から国の医療費削減政策のもとで、現行の診療報酬は、改悪が繰り返され、中小病院の経営難や医療従事者の労働条件悪化の大きな原因となっている。それに加えて、本請願が指摘するように、病院や診療所が購入する医薬品・医療機器などに消費税が課税されていることによって、医療機関の経営が圧迫されている。医師会や開業医の団体も改善を求めているところである。現政権により消費税の引き上げが行われれば、国民と医療機関の負担はますます増えることになるため、我が党は消費税の引き上げに反対しているところである。いずれにせよ、直ちに、医療については仕入税額控除が可能ないわゆるゼロ税率とし、医薬品などにかかった消費税が還付されるようにすることが必要であり、その際に患者負担が増えることのないようにすることという本請願の趣旨は当然であり、採択を求める。
 次に、請願第25号について、県は看護師は一定充足していると言うが、現場は看護師不足で特に中小医療機関で慢性的に不足している。看護師不足による病床閉鎖などの実態もある。日本医師会も新卒看護師の多くが7対1看護の届け出を行っている大規模病院に吸収されたとの調査結果を発表している。このような看護師不足の中で、長時間夜勤など看護師の労働条件が一層厳しくなり、離職に追い込まれ、さらに不足に拍車がかかるという悪循環が起きている。抜本的な対策として、削減され続けてきた医療・社会保障予算と1ベッド当たりの看護指数を先進国並みに増やすことが必要である。しかし、それまでにも看護師の養成の促進、働き続けられる勤務環境に改善するなどの定着促進、再就業支援などの対策を強めることは、すぐに求められることである。しかし、県は行革により養成のための奨学金制度を廃止し、このたび、淡路・柏原の県立看護専門学校を廃止しようとしているが、これらは看護師確保対策に逆行するものである。震災でも改めて明らかになった地域医療とその担い手の役割を踏まえて、県として看護師増員に取り組んでいくべきだと考える。以上のことから、看護師養成や勤務環境の改善などの対策を求めている本請願は当然であり、採択を強く求める。

(審査結果)
 以上で、質疑並びに意見の開陳を打ち切り、第17号及び第23号の2件の取り扱いについて諮ったところ、賛成少数で継続審査しないことに決した後、質疑並びに意見の開陳を終局し、直ちに表決の結果、第17号については可否同数のため、委員会条例第12条の規定に基づき委員長が裁決することとなり、不採択とすべきものと決した。次に、第23号については、賛成少数で不採択とすべきものと決した。
 次に、第20号の取り扱いについて諮ったところ、なお慎重な審査を要するため、賛成多数で継続審査すべきものと決した。
 次に、第24号の取り扱いについて諮ったところ、なお慎重な審査を要するため、賛成全員で継続審査すべきものと決した。
 次に、第16号、第18号、第19号及び第25号の4件については、質疑並びに意見の開陳を終局し、直ちに表決の結果、賛成少数で不採択とすべきものと決した。
 次に、第21号及び第22号の2件については、質疑並びに意見の開陳を終局し、直ちに表決の結果、賛成全員で採択とすべきものと決した。


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