神戸市中学校給食一時停止 今こそ抜本見直しを
2015年10月13日
毛髪やビニール、金属片などの異物混入が相次ぎ、神戸市の7区(灘、中央、兵庫、北、長田、須磨、垂水)27中学校で給食が13日から一時停止となりました。
神戸市の中学校給食の安全性と信頼が大きく揺らぐ重大な事態です。
中学校給食は子育て世代の皆さんの痛切な願いであり、その思いを受け止めて実現を訴え続けた者として、本当に腹立たしく、悔しい。
神戸市の中学校給食は、市民、子育て世代の強い要求のもとで2013年3月に市教委が導入を決定。私も日本共産党も実現に全力を挙げました。
そして2014年11月から33校で先行実施されました。
市教委は7月までで86件の異物混入があったと発表しました。調理・配送する業者は2社で、異物混入はそのうちの1社によるものがほとんどです。市教委は、この業者が担当する7区27校の給食を一時停止にし、もう1つの業者(コープこうべ)が担当する東灘区と西区の6校は継続します。
27校の再開時期は未定。来月から残り48校で新たに始まり全校実施の予定でしたが、市教委はこれも「検討中」としており、来月実施が見送られる可能性が高まってきました。
なぜこんなことになったのか。
この業者の安全衛生面のモラルのなさが一番の問題ですが、神戸市の指導や対応がどうだったのか当然問われます。
そもそも2社だけで全82校をまかなうことが無理があり、日本共産党神戸市議団はこの点をただしてきました。
◆業者弁当方式から転換を
そして根本の問題はやはり、「デリバリー弁当箱(ランチボックス)」方式つまり業者弁当の給食で、家庭弁当との選択制という給食の方式にある、と指摘せざるを得ません。
異物混入は、同じ業者弁当方式をとる大阪市でもことし4月から7月で88件あったと報道されています。企業ではどうしても営利優先、効率優先になり、安全対策は後回しになりがちです。
何回も指摘してきましたが、もともとこの方式は、冷温管理が義務づけられるため「冷たくておいしくない」と不人気などから採用する自治体はどこでも給食利用率が低迷し、まともな給食として成り立っていません。姫路市はこの方式をやめることを決めています。
企業がもうけのために作る給食か、小学校のように学校で調理員さんが子どもたちのために心をこめて作る給食か。どちらが安全・安心な給食か明らかですよね。
業者弁当・選択制を抜本的に見直し、今こそ、小学校のようにみんなで食べる温い給食への転換が必要です。
一刻も早く安全な給食を確立するために、力を尽くしたいと思います。