高潮被害 県が居直りの答弁
2018年10月10日
久方ぶりのブログ更新です。長らく滞って申し訳ありません。
今月3日の私の一般質問で、台風21号による高潮被害に関して県当局は〝県の対策に何ら問題はなかった〟という重大な答弁をしました。
県が開発して20年前から分譲された潮芦屋(芦屋市)も甚大な被害でしたが、県の高潮ハザードマップでは浸水の危険がないとする「白塗り」で、ハウスメーカーも住民もこれを信じていました。ところが今回、波が護岸を超えて住宅街を襲いました。
私は質問と再質問で、▽2007年作成の高潮ハザードマップには、内閣府の作成マニュアル(2004年)でも指摘されている、高潮と同時に発生する高波が考慮されていないこと、▽2015年の水防法改定に際して国交省から、高波や河川流量も考慮に入れた新たな高潮ハザードマップを早急に作成すべきと通知があったのに作業がすすんでいなかったこと、東京と福岡はすでに発表していることーを指摘し、このように県が高波を考慮したハザードマップ作成を怠ってきたことが被害を大きくした要因ではないかと問い質しました。
少なくとも、住民が危険性を知らされていれば、ここには住まない、高いお金を出してまで購入しないという選択がありえたし、被害を最小限に抑える自主的な対策も取れたはずです。
ところが答弁した県土整備部長は、▽「高潮浸水想定(ハザードマップと同義)は、雨や波による浸水は考慮していないと明示しております」と述べ、▽水防法改定による新たなハザードマップ作成については「概ね5年程度で公表することとされており、多数の自治体が対象だが終わったのは福岡と東京(しかない)。我々の作業が遅れているという認識は全くございません」と居直りました。
大きな被害が出たのに、県には何の非もない、何の責任もないという態度です。
ハザードマップには誰も読まないような箇所に、確かに「波」(高波とは書いていない)は考慮されていないとの記述がありますが、高潮に伴う高波は省いていることだと誰が理解できるでしょうか。にも関わらず「明示した」というのは、気づかなかった方が悪いということになります。
新たなハザードマップ作成は、「早期に」求められていたのであり、現に東京と福岡は発表しています。兵庫県は今回の高潮に間に合わなかったではありませんか。そもそも、阪神・淡路大震災を体験し、防災対策に全国一真剣であるべき兵庫県が、他県もやってないから兵庫は遅れていないなどと釈明するのは何とも情けない話です。
こういう県の態度では被害に遭った住民は救われません。今後の防災対策のためにも正さなければいけないと思います。