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40人学級復活?

2014年11月05日

 驚きました。

 財務省が、公立小学校1年生の35人学級を40人学級に戻すよう文部科学省に求める方針を財政制度等審議会(財務相の諮問機関)に示しました。

 35人学級は、広範な教育関係者と国民の長年の運動によって実現したものです。国レベルの小学校1年生の35人学級は、2011年に義務教育標準法が改正され、31年ぶりに学級編成基準が改善されたことにより実現しました。
 子どもたちに行き届いた教育をすすめるためには少人数学級が不可欠であることは、政府も含めてすでに国民的な合意となっています。
 兵庫県では、小学校4年生まで35人学級です。
 それをいまさら40人学級とは…。

 こんなとんでもないことを考える財務省の官僚の頭の中はどうなっているのでしょうか。
 財務省は、小学校全体のいじめの認知件数や不登校、暴力行為の件数に占める小1の割合を、35人学級導入前の5年間と導入後の2年間について比較し、導入の前後でほとんど変わらないというデータを持ち出し、35人学級には「効果がない」と決め付けています。

 しかし、子どもの不登校や暴力行為には貧困や競争教育の影響などさまざまな要因・背景があり、学級人数の問題だけでは把握できません。
 導入直後のわずか2年間だけのデータで「効果がない」と結論づけるのは強引です。
 国に先立って少人数学級を実施した府県の調査では、明確に不登校や欠席者が減ったとの結果も出ています。いじめの認知件数がやや増えているのは、学級の人数が減って教師の目が行き届くようになり、むしろいじめが発見しやすくなった結果ではないかとの指摘もあります。
 財務省が都合よく見えるデータを探し出してきた疑いがあります。

 「きめ細かな指導という意味で35人学級のほうが望ましい」(下村博文文科相)というのが、国民の常識でしょう。

 財務省は40人学級に戻せば、教職員4000人を削減でき、86億円を減らせるとしていますが、財政難だというなら、大企業減税やムダな大型公共事業こそやめるべきです。
 日本の教育への公的支出のGDP比は経済協力開発機構(OECD)加盟国で5年連続して最下位。欧米では学級編成の基準は20~30人です。

 日本政府がやるべきことは、小1の35人学級の維持はもちろん、全学年に広げ、さらに30人学級へと前進すること。兵庫県でも直ちに小中全学年に広げなくてはいけません。
 子どもたちにこそお金をかけるべきです。


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