みんなの党分裂
2013年12月11日
みんなの党の江田憲司前幹事長ら14人の国会議員が9日、離党表明しました。
衆参議員35人中の4割に当たり、同党は結党4年目で分裂することになります。
江田氏は、秘密保護法案などをめぐって渡辺喜美代表が自民党にすり寄ったことを離党の理由に挙げていますが、もともとみんなの党が維新や民主の一部と合体する「野党再編」を主張してきた人ですから、いいチャンスだと思ったのでしょう。
年内に新党をつくるそうですが、これは各方面から指摘されているよう政党助成金目当てにほかなりません。年内に結成すれば政党助成金をもらえますから。
その新党も、「野党再編」(維新などとの合体)のときは消滅します。
日本維新の会の橋下徹共同代表は、敗北した参院選後、「野党再編が必要。維新にこだわらない」とくり返し発言し、今回の江田氏の行動も大歓迎し、「志を同じくする者で1つの巨大な塊をつくっていく。(2015年4月の)統一地方選は1つの党で戦わなくては。1つの政党にするのであれば、日本維新の会という名前を掲げていたら江田さんも納得しない」と維新を解党する方向を語っています。
江田氏の行動は、こうした流れに沿ったものです。さっそく10日、みんな離党組と維新、民主の議員が「既得権益を打破する会」という勉強会を発足させました。
しかし、アメリカと財界の利益最優先という最大の既得権益には指一本手をつけようとしません。
兵庫県、神戸出身のみんなの党衆院議員2人も江田氏に同調しているので、同党の神戸市議団や県会議員も足並みを揃えて衣替えするかもしれません。
みんなの党にしろ維新にしろ、自民党の補完勢力であることがすでに明らかになっています。江田氏にしても政策はみんなの党と何ら変わりませんし、秘密保護法も「保護法制自体は、われわれはみな賛成」(9日)という立場です。
要するに、維新やみんなの党など「第3極」が凋落しているなかで、外見だけ新しくして巻き返そうというのが「野党再編」です。いいかえれば補完勢力内部の離合集散、野合にすぎません。
そして、「野党再編」後の新党は恐らく橋下氏が「顔」になるのでしょう。そこには、「ここなら議員になれそうだ」と思う人たちがまた寄ってくるかもしれません。
しかしいずれにせよ、国民の声や願いから遠く離れた所での動きです。
自民党政治を変える力が全くない、すっかり色あせた「第3極」づくり、新党づくりの焼き直しだと思います。