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文教常任委員会

2月13日…文化財の保存整備、臨時的任用教職員の「空白の1日」

2015年02月13日

(2 閉会中の継続調査事件)
 「学校・家庭・地域の連携による教育の推進について」及び「生涯学習の基盤づくりの推進について」を議題とし、「社会教育・地域教育の推進」及び「文化財の保存と活用」について、社会教育課長及び事務局参事兼文化財課長の説明を聴取した。

(きだ 結委員)
 国登録文化財の保存整備に対する補助について資料に記載がないが、どのような補助があり、県はどのように関わっているのか教えていただきたい。

事務局参事兼文化財課長(村上裕道)
 国登録文化財については、設計・管理費の一部に対して補助する制度はあるが、修理費に対する補助は制度化されていない。県登録文化財については、修理費の一部を県と市町で補助している。

(きだ 結委員)
 例えば、国登録文化財である五助堰堤の保存整備はどのように行われるのか。

事務局参事兼文化財課長(村上裕道)
 文化庁では国登録文化財の修理に対する補助制度はないが、所管する国土交通省は、国登録文化財に指定されたことにより、一般の堰堤とは異なった考え方で保存している。国登録文化財に指定されることによって、修理に対する考え方を見直したり、さまざまな補助制度を活用する契機となることがある。

(3 その他)

(きだ 結委員)
 臨時的任用教職員の「空白の1日」の問題について伺う。臨時的任用教職員は年々増え続けており、本県では2013年度当初で2,726人いるということである。学校現場では、臨時的任用教職員は正規教職員と同様の仕事をしながら、日々の教育活動を支えている。臨時的任用の根拠は地方公務員法第22条であり、緊急の場合、臨時の職に関する場合であり、主に産休、育休、病休の代替者が想定されていたはずであるが、3分の2は想定とは異なる任用となっているのが実態である。6ヵ月を超えない期間で任用できることになっており、1回だけ更新できるので、ほとんどは1年間の雇用であり、それを超える任用をする場合は、正式に採用すべきとされている。学校現場で明らかに必要とされているにもかかわらず、「空白の1日」を置かなければそのまま正式採用しなければならないため、年度末か年度当初に「空白の1日」を設けることによって、正式採用を逃れる形で任用を続けているのが現状である。
 「空白の1日」による不利益は全国的にも問題となっている。例えば、3月31日に空白があれば、3月分の年金保険料と健康保険料が自己負担となる。また、4月1日に空白があると、4月分の諸手当がカットされるなど、いずれにしても不利益を被っている。本県は「空白の1日」についてどのような取り扱いをしてきたのか。総務省は「空白の1日」による不利益を解消するために、平成26年7月4日付けで通知を出しているが、県教育委員会はこれを受けてどのように対応したのか説明いただきたい。

教職員課長(世良田重人)
 これまで臨時的任用教職員は増加傾向であったが、長期的な視点により、解消に向けて取り組んでいるところである。地方公務員法第22条では、臨時的任用については半年間の任用、そして最大半年間の延長と規定されている。その人を新たに臨時的任用職員として雇用する場合は、継続して雇用すれば新たな任用にならないため、全国的に1日から20日間の空白期間を設けているという実態がある。委員ご指摘のとおり、総務省からこの件に関して通知が出されたが、基本的な考え方が改めて示されたとは考えていない。本県は現在、1日を空けて任用する形態を守っていこうとしているところであるが、さまざまな課題があることについては各所から指摘されているので、今後とも全国的な動きを見ながら研究していきたい。

(きだ 結委員)
 総務省の平成26年7月4日付けの通知では、「新たな任期と前の任期の間に一定の期間を置くことを直接求める規定は地方公務員法をはじめとした関係法令において存在しない」、つまり「空白の1日」に法的根拠はないと指摘している。その上で、年金と健康保険の継続については、「事実上の使用関係が中断することなく存続していると、就労の実態に照らして判断される場合には、被保険者資格を喪失させることなく取り扱う必要がある」として、例えば3月31日が「空白の1日」になっていても実態は継続しているとみなして、不利益を被ることがないように、何らかの適切な対応を求めていることは明らかである。大阪府や滋賀県など、不利益の解消に取り組んでいる自治体もあるので、本県でも不利益が生じないように策を講じていただきたい。「空白の1日」の解消は、すぐには無理であるとしても、年金と健康保険について、現在は県立学校の校長が事業主となっているが、県が一括して事業主になれば、県内で異動しても継続勤務と取り扱うことができるので、検討してみてはいかがか。

教職員課長(世良田重人)
 委員のご提案については各所から聞いたが、本県は他府県と比較して取り立ててひどい状況ではないと認識しているので、他府県の動向を見ながら、本県の状況にかんがみて、何かできることがあれば取り組む所存である。ただし、いろいろなご意見を聞いているので、検討はしていきたい。

(きだ 結委員)
 ぜひ、改善に向けて取り組んでいただきたい。


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