2018年度決算特別委員会
2019年10月08日
○きだ 結委員 日本共産党のきだ結です。
関西電力の原発マネー還流疑惑でお伺いする。
関西電力の経営幹部らが、原発が立地する福井県高浜町の元助役から約3億2,000万円相当の金品を受け取った原発マネー還流の疑惑が深まり、国民、県民の不信と怒りが広がっている。
兵庫県は、関西電力の株主である。井戸知事は10月2日、常識外の行為であり、極めて残念である。徹底した調査を行い、説明責任を果たすことを求めるとのコメントを出されているが、それだけでは済まない。
関西電力は10月2日、幹部ごとの金品受領額や経過などを記載した車内調査報告書をようやく公表し、元助役から関電幹部に現金をはじめ、スーツ券や金貨などが頻繁に届けられていた時期が明らかになった。
関電と原発立地自治体の有力者との癒着が長きにわたって形成、温存されてきた異常な実態の一端を浮き彫りにしている。しかし、県民が支払っている電気料金に上乗せされている電源開発促進税等を原資とする国交付金、原発マネーの不透明な流れの解明にはほど遠く、元助役の資金の出どころについても分からないと繰り返されるだけで、核心部分は何も明らかにしていない。
経営トップが金を受け取った当事者であり、隠蔽姿勢を改めようとしない関電が立ち上げるという第三者機関などでは、疑惑解明を任せることはできない。電気料金を支払う県民が被った不利益、株主という立場から兵庫県が主体的に徹底した疑惑解明を行うことが必要である。京都市や大阪市、神戸市など関係団体、あるいは国とも協力して、関電任せにしない第三者機関を立ち上げ、県も積極的に関わるなどして、疑惑解明を行うように求めるが、いかがだろうか。
○ビジョン課参事(田中修平) 電力供給という重要な公益事業には、利用者の信頼と経営の透明性が不可欠である。今般、関西電力の役員等が長年にわたり、不透明な形で多額の金品を受領していたことは、県民感覚から外れた常識外の行為であると言わざるを得ない。
県としては、関西電力に対する指導監督の権限を有していないが、実情把握のため、今回の事案について説明を求めるとともに、徹底した調査を行い、説明責任を果たすこと、さらに、社内のガバナンスやコンプライアンスの体制の強化を要請したところである。
今後、新たに設置される、直接利害関係者でない者のみで構成される第三者委員会において、調査と原因究明が行われることとされている。
本県としては、関西電力がこの手続を踏まえて、しっかり説明責任を果たしていくことが先決であると、このように考えている。
○きだ 結委員 関電が立ち上げようとしている第三者機関なので、当然、利害関係のない人を集めるといっても、やはり独立性という点では疑義もあるので、完全に独立した機関による調査を改めて求めておきたいと思う。
もう一点お伺いする。
10月2日の記者会見で関電の岩根社長は、元助役を地域の合意形成などの対応上、助言や協力をいただいていた方だと説明。そして、元助役とは原発立地時からの関係であることを明らかにしている。
また、八木会長は、元助役が地域全体の取りまとめ役で、彼の機嫌を損ねて原発事業に反対の立場に立たれると、地域全体が反対に回るリスクがあると考えたと釈明して、原発再稼働を推進するために、元助役との不適切な関係を続けたことを認めた形となった。
関電は、元助役の力を利用して地元を押さえ、元助役は、関係業者に仕事を回しているからこそ、力を増していった相互作用である。そこまでしないと地元に受け入れられないのが原発だということである。
高浜原発は、現在、3号機が運転され、40年を超えて今現在、定期点検中の1号機、2号機についても再稼働を進めようと、関西電力は莫大な費用をかけている。
本来は安全対策にかけるべき国交付金が、一部でも完了した可能性があり、手抜き工事につながる重大なおそれも指摘されている。
西脇隆俊京都府知事は3日、高浜原発1号機、2号機の再稼働を目指していることについて、信頼回復が先で、現状ではあり得ない。再稼働どころか、普通の事業活動を行う信頼回復が必要だと述べている。
資金提供は、企業倫理の喪失にとどまらず、原発の安全対策にも直結する以上、関電に原発を動かす資格はない。県が真相解明の責任を果たすとともに、原発再稼働は認めない毅然とした態度を表明すべきだと考えるが、いかがだろうか。
○ビジョン課参事(田中修平) 原子力発電所の再稼働については、本県は、その可否を判断する立場にない。
原子力発電所の安全性については、世界で最も厳しい水準とされる新規制基準に基づいて原子力規制委員会が審査し、それをもとに政府が再稼働の適否を判断することとなっている。
県としては、現段階では、まずは全容を明らかにすることが先決であると考えている。
○きだ 結委員 再稼働の判断は、もちろん県がないということは、そのとおりなのだが、県民の暮らしとか命を守る立場で物を申すということは、もちろんできるはずである。やはり稼働し続ける限り、処理方法が確立されていない使用済み核燃料を生み出し続けるということ。そして、ひとたび事故が起きれば、空間的にも時間的にも、放射性物質を放出し続けると、収束するすべを持たないという致命的な欠陥があるのが原発事業である。
だからこそ、今回のような地元を押さえる必要があったし、この異常な癒着を生み出したものだと思う。原発からは脱却するという立場に、ぜひ県も立っていただきたいし、その立場で発信を求めて、質問を終わる。
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