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建設常任委員会

10月3日…会計年度任用職員 正規職員の配置 園田西武庫線 巨大公園整備 地元負担 高規格道路 県営住宅削減・集約

2019年10月03日

○(企業庁関係)
○(1 付託議案審査)
第70号議案 職員の給与等に関する条例等の一部を改正する条例中 関係部分
第76号議案 兵庫県水道用水供給条例の一部を改正する条例
第80号議案 平成30年度兵庫県水道用水供給事業の利益剰余金の処分
第81号議案 平成30年度兵庫県工業用水道事業の利益剰余金の処分

以上4件を一括議題とし、企業庁総務課長の説明を聴取した後、質疑並びに意見の開陳を行った。

(主      な      発      言)
○(きだ 結委員)
第70号議案についてである。企業庁関連の会計年度任用職員に該当する人数と勤務地を教えてほしい。
○総務課長(種池 寛)
現在、職員の意向を確認しており、概ね30人程度である。本庁各課が10人、その他が地方機関で20人となっている。
○(きだ 結委員)
建設事務所、まちづくり事務所などまだ予定とは思うが、この条例の中味で、フルタイムには特地勤務手当、退職手当があるがパートタイムにはない。各種手当の額は同じか。給与の年収及び月収で今と変化があるのか。
○総務課長(種池 寛)
企業庁では今のところフルタイム職員は予定していない。勤務条件は現在を下回らないことを想定している。月額はきちんと計算しないと分からないが、年収ベースでは期末手当を支給することもあり現在より上がる。
○(きだ 結委員)
意見表明する。第70号議案については反対である。本条例案は地方自治体における特別非常勤職員及び臨時的任用の実態が、地方公務員法の規定と乖離しているとして、臨時・非常勤の任用要件を厳格化し、臨時・非常勤職員の受け皿として新たに有期雇用契約である会計年度任用職員制度を新設して、期末手当などの支給を可能とするものである。企業庁では約30人の非常勤職員が会計年度職員へと移行する予定とのことである。
反対の一つの理由は、恒常的業務には正規職員を配置するという根本的な改善策が示されていないことである。この補助的業務、新たな業務の新たな任用という考え方を用いて会計年度職員へと任用替えされることになるが、これまで非常勤職員が担ってきた業務は恒常的業務そのものと思う。地公法では恒常的業務には正規職員を配置することが大原則としてうたわれているが、本条例では正規職員化への道を開く内容になっていない。恒常的業務には正規職員を配置すべきとの考えである。
二つ目は会計年度職員の待遇などがまだ不十分なことである。今のところフルタイム職員は想定していないとのことであるが、手当が支給されて年収ベースで上がる方もいれば、月額ベースでは下がる方がいるかもしれないので、結局、待遇としては不十分である。
さらに、会計年度任用職員は会計年度ごとに新たな業務に新たに任用する考え方から、わざわざ会計年度ごとに1ヵ月間の条件付き採用期間などを設けることで、例えば、実際、5年間連続して任用されているにも関わらず、新たな業務に新たに任用したという担保することよって、実質は連続任用とはカウントせずに、例えば不当に雇い止めにあった場合に、任用継続への期待権が認められにくくする考え方を用いていることであり、この解決には恒常的業務には正規職員を配置するしかないと思っているので反対する。

○(審査結果)
以上で質疑並びに意見の開陳を終局し、直ちに表決の結果、第70号議案中関係部分については賛成多数で、第76号議案、第80号議案及び第81号議案の3件については賛成全員で、いずれも原案のとおり可決すべきものと決した。
なお、委員長報告については文書で行うことに決した。

 

○(県土整備部関係)
○(1 付託議案審査)
第67号議案 令和元年度兵庫県一般会計補正予算(第1号)中
第1表 歳出関係部分
第68号議案 令和元年度兵庫県流域下水道事業会計補正予算(第1号)
第78号議案 県が行う建設事業についての市町負担額の決定中 関係部分
第79号議案 国営明石海峡公園整備事業についての神戸市負担額の決定
第82号議案 兵庫県立国際観光芸術専門職大学(仮称)建築工事請負契約の締結
第83号議案 兵庫県立国際観光芸術専門職大学学生寮(仮称)建築工事請負契約
の締結
第84号議案 兵庫県立国際観光芸術専門職大学(仮称)機械設備工事請負契約の
締結
第85号議案 兵庫県立国際観光芸術専門職大学(仮称)電気設備工事請負契約の
締結
第86号議案 主要地方道加古川小野線東播磨道北工区下村第1高架橋上部工事
請負契約の締結
第87号議案 主要地方道豊岡竹野線(仮称)城崎大橋橋梁上部工事請負契約の締

第88号議案 一般県道明石高砂線相生橋上部工拡幅工事請負契約の締結
第89号議案 二級河川武庫川水系羽束川千苅ダム治水活用施設整備工事請負契
約の締結
第90号議案 県営宝塚山本住宅第3期建築工事請負契約の締結

以上13件を一括議題とし、県土整備部総務課長の説明を聴取した後、質疑並びに意見の開陳を行った。

○(きだ 結委員)
日本共産党の意見を表明する。上程中の4つの議案に理由を付けて反対する。
① 第78号議案についてである。この事業には園田西武庫線が入っている。園田西武庫線は三菱電機敷地内を含めて尼崎市内を東西に走る道路で、総事業費約198億円かけて整備するもので、今後整備を進める東園田側では、用地などで住民合意が得られていないなどの問題も抱えている。
この事業は、三菱電機の敷地用地買収や物件移動の補償費など約124億円にも上り、総事業費の約6割が三菱電機関連に充てられているなど、事業そのものに反対している。
② 第79号議案についてである。これは、総事業費約958億円を投じ、神戸地区と淡路地区を合わせて330ヘクタールに及ぶ巨大な公園整備を進め、これに地元負担を求めるものである。これまで、国が3分の2、兵庫県・神戸市がそれぞれ6分の1ずつ負担し、平成30年度末に総額820億円を支出して、県負担235億円、神戸市負担84億円を支出してきた。淡路地区では平成30年度末までに383億円が投じられて供用しているが、現在残された未整備区域のうち、改正都市公園法に基づき、約22ヘクタールの海岸ゾーンを3区画に分けて民間が整備しようとするものである。
2016年には、基本計画検討委員会から約20億円に上る計画が提案され、2017年には基本実施設計などに2,500万円が、2018年には飲食やショッピングに供されるシースケープラウンジなどの調査、測量、敷地造成などによって約2億7,000万円、2019年度には国の負担で基盤整備として工事費8,000万円、2020年度も同じく3億6,000万円が予算計上されていた。国民のための公園が税の投入によって基盤整備され、営利化されようとしている。また、神戸地区では、平成30年度末までに506億円が支出され、県負担分が84億円、神戸市負担も同じく84億円が支出された。2016年5月には一部が改編されているが、隣接してしあわせの村という広大な公園があり、公園整備事業として必要性のない国直轄事業に地元負担を求めるべきではないという立場から反対する。
③ 第86号議案についてである。これまでも指摘してきたが、東播磨自動車道路は破綻した第5次全国総合開発計画に位置付けられた高規格道路である。全総計画は、半世紀にわたって、東京一極集中の是正を最大の目的として全国県下に高速道路を張り巡らせてきたが、東京一極集中はますます加速するばかりである。政策の抜本的転換が必要である。
渋滞対策という点でも、東播磨自動車道路南工区は、平成26年に供用開始されたが、それによって南北交通量は7,500台増加し、南北から加古川バイパスに車を呼び込んだことによって、加古川バイパス東西交通の渋滞は、以前にも増して悪化した。自動車保有台数は減少に転じている今、交通渋滞の抜本的対策として、自動車から公共交通機関へ、陸上貨物輸送から海上鉄道貨物輸送への交通対策の抜本的転換こそ推進すべきである。
また、高規格道路整備は、地元建設業者の仕事興しにも、その効果は限定的である。東播磨南北道路南工区は、平成26年に整備が完了したが、南工区は総延長5.2キロメートルのうち、75パーセントにあたる3.9キロメートルが高架区間で、総工事費279億円のうち、約55パーセントに当たる約153億円が橋梁上部工事に充てられた。しかし、その全てを県外業者が受注している。高架区間は橋梁上部工事を伴うが、県内で橋梁上部工事を施工できる業者は1社しかなく、高規格道路を施工した実績はない。北工区でも総延長6.9キロメートルのうち3.2キロメートルが高架区間で、本議案でも橋梁上部工事が発注されているが、受注業者は東京に本社を置いている。今行うべき公共工事は、災害が多発する中で、河川整備率59パーセント、土砂災害警戒区域整備率26パーセントと遅れている防災・減災型の公共工事への転換こそ必要という立場からも反対する。
④ 第90号議案についてである。これは、現在、管理戸数310戸ある宝塚小林鉄筋住宅を廃止して、他の県営住宅へ集約しようとするものである。宝塚山本県住は300戸から333戸へと管理戸数が増えるが、宝塚安倉住宅は300戸から242戸へ、宝塚御所前住宅は100戸から85戸へ管理戸数が削減され、今回の宝塚小林鉄筋の集約に関連する管理戸数は、1,501戸から1,151戸へ350戸減ることになる。
物価上昇に加え、消費税増税や社会保障の負担増などによって実質賃金、年金などが下がり続け、低廉な家賃で住宅を供給するという県営住宅への期待がますます高まるもとでの管理戸数削減は、認められないという立場から反対する。

○(審査結果)
以上で質疑並びに意見の開陳を終局し、直ちに表決の結果、第78号議案中関係部分、第79号議案、第86号議案及び第90号議案の4件については賛成多数で、第67号議案中関係部分、第68号議案、第82号議案ないし第85号議案、第87号議案ないし第89号議案の9件については賛成全員で、いずれも原案のとおり可決すべきものと決した。
なお、委員長報告については文書で行うことに決した。


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