文教常任委員会
2015年01月16日
(2 閉会中の継続調査事件)
「「生きる力」を育む教育の推進について」及び「生涯学習の基盤づくりの推進について」を議題とし、「児童生徒の体力づくりと健康教育」及び「生涯スポーツ・競技スポーツの振興」について、体育保健課長、スポーツ振興課長及びスポーツ振興課参事の説明を聴取した。
(きだ 結委員)
文部科学省の全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果において、本県は全国平均を下回っている。生活実態と併せて課題を分析する必要があると考えるが、体力アップサポート専門家会議においてどのような分析がされているのか。
体育保健課長(廣瀬雅樹)
委員ご指摘のとおり、単に体力・運動能力の数値で判断するのではなく、朝食の摂取の有無、体育の授業以外のスポーツ実施時間、睡眠時間等、いろいろな生活習慣とリンクさせて分析している。その中で、予測したような差が顕著に結果に表れる部分と表れない部分がある。例えば、握力だけを見れば、肥満傾向の児童生徒の方がやせ型の児童生徒より高く、それだけをもって健康度を測ることはできない。また、テレビを見る時間が体力・運動能力に与える影響について、小学校低学年では余り顕著な差は出ていない。生活習慣が体力に与える影響については、特定の児童生徒を経年比較することが必要である。基本的に、幼少時に外で遊ぶ時間を確保できている子供は運動習慣がついていて、年齢を重ねても平均値よりも高い数値が出ている。そこで、体力アップスクール表彰で蓄積された、成果を上げた学校の取り組み事例を情報発信し、各学校で取り組むことにしている。そのためには、児童生徒や保護者の意識を変えていく必要がある。
(きだ 結委員)
何らかの要因によって全国平均を下回る結果になっていると思われるので、要因を一つに絞ることはできないと思うが、食生活を柱とした生活習慣の影響が大きいと考えられるので、分析・検討していただきたい。
次に、栄養教諭は義務標準法に定められている基準により配置されているが、全ての給食実施校に配置されている訳ではなく、児童生徒数によって配置されていない学校もある。県が予算措置することによって全校配置すべきではないか。
学事課長(高野滋也)
委員ご指摘のとおり、児童生徒数に応じて一定人数の栄養教諭を配置することが法律上義務づけられている。それ以上の栄養教諭を配置しようとすれば、県単独で措置しなければならない。例えば、給食の単独調理場方式の場合で、児童生徒数550人未満の規模であれば4校に1名配置することになっているので、それを埋めようとすれば3校に配置していかねばならない。全校配置するためには相当の人数について措置しなければならず、行革を進める中、困難である。本県では国に対して増員の要望をしているところであるが、現行の制度が給食の衛生管理を目的として作られていることについて、文部科学省も問題意識を持っており、増員に向けて努力したいという言葉も得ているので、国の動きを注視していきたい。
(きだ 結委員)
なかなか教職員定数が改善されない中で、要望が強いことについては承知していると思うが、引き続き検討していただきたい。
次に、神戸市では昨年11月から一部で中学校給食が始まったが、業者弁当であり、栄養教諭は配置されていない。栄養教諭の指導を受ける機会の有無による差は、大人になってから出てくると考えられる。栄養教諭の配置を進める上でも、全公立中学校での給食実施を進めていただきたいと考えるが、当局の所見を伺う。
体育保健課長(廣瀬雅樹)
給食を実施するメリットについては認識しているが、実施については、設置者である各市町が判断することである。各市町では、生徒や保護者の意見を踏まえ、検討委員会で議論することにより、時間をかけて決定している。県としては、生徒や保護者の意見を聞いて、地域に合ったやり方で実施するよう推進するとともに、市町が導入を検討する中で課題が生じた場合は、市町の相談に応じ、指導・助言していきたい。
(きだ 結委員)
全国的に見ても本県の完全給食実施率は低いので、県のイニシアティブにより引き上げていってほしいが、再度、答弁を求める。
体育保健課長(廣瀬雅樹)
本県の公立中学校の完全給食実施率は約50%であり、全国の実施率約80%と比較すると低い状況である。ただ、ここ数年、実施率は上昇傾向にあり、神戸市が来年度以降、全中学校で実施すれば、実施率は7割強に上がる見込みである。県としては、できる限りの支援をしていきたい。
(きだ 結委員)
神戸市では給食が始まって1ヵ月であるのに、50%の利用にすぎない状況である。よりよい給食をめざすことによって食育推進に取り組んでいただきたい。
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