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健康福祉常任委員会

2月18日…定期巡回・随時対応型訪問介護看護、介護職員等医療ケア実施研修、生活保護捕捉率

2013年02月18日

(健康福祉部関係)

(2 閉会中の継続調査事件)
 「福祉基盤の充実について」を議題とし、「高齢者の保健福祉対策の推進と介護保険制度」について、高齢社会課長の説明を聴取した。

(きだ 結委員)
 地域密着型介護保険施設等整備計画においては、定期巡回・随時対応型訪問介護看護が12ヵ所計画されているが、現時点での実績はどうか。

高齢社会課長(伊澤知法)
 実績としては、たつの市の1事業所である。また、神戸市では5事業の指定まで終わっており、尼崎市、宝塚市、明石市では指定まで至っていないが、公募等により事業実施に向けた採択の段階まで進んでいる。

(きだ 結委員)
 今年度からの取り組みであり、施設から在宅へという国の大きな流れの中で在宅介護の目玉として打ち出されたものであると思うが、介護事業所の実態を見ていると、24時間定期巡回・随時対応サービスとして回ろうとすれば、安否確認しかできないことになると思う。また、呼び出しがあっても、それに対応するだけの人員を持っているのかというとなかなか難しい。安心して在宅で暮らすために、今後サービス事業者を増やしていくには、何が必要と考えているのか。

高齢社会課長(伊澤知法)
 24時間定期巡回・随時対応サービスの特徴としては、ベースがホームヘルプ事業所や訪問看護事業所であり、株式会社やNPOも多く、財政基盤も比較的大きくない。事業そのものに対する不安やノウハウ不足もあると思われることから、事業者を呼んで勉強会を実施している。また、コールセンターの運営方法について、これまでに実施したモデル事業をもとに研修もしようとしている。事業者のハードルを下げつつ、サービスを受ける側の住民の不安も一つずつ解決していくしかないと思っている。これらの努力により、徐々に広がっていくよう支援したい。

(きだ 結委員)
 事業所に取り組む気持ちがあって、財政的な支援が必要であれば、その点も考えられたい。また、介護において大事なことは、施設に入りたい、在宅で過ごしたい、と選べるだけの環境整備がされることである。一律に施設から在宅へという流れは間違っているのではないか。必要な特別養護老人ホームや老人保健施設は建設し、介護療養病床も確保していくことが必要であると思うので、その点も考えながら進められたい。
 次に、介護職員等医療ケア実施研修について伺う。これまで禁止されていたたんの吸引等の医療ケアを実施できるよう研修を実施しているとのことだが、家族の方を少しでも楽にしてあげようと積極的に取り組もうとしている介護事業所も多い。しかし、研修を受けようとしても枠や回数が制限されており、多くの職員を受講させることができないと聞くが、これまでの実績はどうか。

高齢社会課長(伊澤知法)
 実際にどれだけの医療的ケアをしているかについては、介護報酬上の算定でしか分からず、兵庫県国民健康保険団体連合会や各市に確認しないと分からない。また、研修については、昨年度は厚生労働省からの通知も遅かった影響もあり、開始時期が冬頃となったため迷惑をかけたが、今年度からは本格的に実施している。研修の枠は、特定の方をケアするホームヘルパーなどについては240人、不特定の方をケアする施設の職員については100人である。絶対数として足りないというご指摘も聞いており、どうにかできないか努力をしている。県内の養成人数については、今年度までに特定295人、不特定208名を予定している。厚生労働省の制度により、実地研修が必要となっており、座学は大きな会場を用意すれば幾らでも実施できるが、実技を実施できる数に限界がある。県看護協会に委託をしているが、正直、この点で苦労しており、知恵を絞って努力できればと考えている。

(きだ 結委員)
 実技の枠は伸びそうなのか。

高齢社会課長(伊澤知法)
 特定分については、ケアを受ける本人と実技をしなければ意味がないので、急に増加することは難しい。不特定分については、重度心身障害児施設など大きな施設で実施しているが、もう少し小規模な老人保健施設等で研修の受け入れができないか話を進めている。しかし、受け入れるとなると大変なので、具体的に受け入れが決まった施設はない。

(竹内英明委員)
 ① 高齢者の社会参加を促進するため、県老人クラブ連合会へ支援をしているが、県下には何らかの理由で連合会に入っていない老人クラブもあると聞いている。私が把握しているのは姫路市だけだが、他にも加入していない地域はあるのか。
 ② 認知症については、人数が増えるとともに出現率も上がってきており、さらに上がるようなことになれば大変なことになると予測している。がんなど多くの病気に対しては、早期発見により失われる機能を他の手段で回復させている。今回は県の事務であるため、対処療法的な取り組みの説明であったが、認知症も病気なのだから、薬を開発して根治させていかなければならない。調べたところでは、外国企業が治療薬を開発しつつあったが、困難になっている状況のようである。ヨーロッパでは、人間は健全な精神が宿っていることが大切であり、人工呼吸器や胃ろうなどはとんでもなく、そのような措置はしないという考え方もあるようだが、海外では認知症に対してはどのように対応しているのか。

高齢社会課長(伊澤知法)
 ① 老人クラブについては、神戸市は政令市であり単独で連合会を設置しており、その他の市町は県の連合会に参加しているが、姫路市と西宮市は経緯があり離脱している。一部には戻りたいとの声もあり、連合会と両市の間で継続的に協議を続けており、条件が折り合えば戻ると聞いている。我々としても関心を持って連合会に情勢を確認しているところである。
 ② 認知症については、かつては精神病というイメージが強く、ケアの力で対処しようとしていた。最近は医学の発展により、脳の器質的な障害の一つとして捉え、医療的なアプローチもできるのではないかという大きな流れがある。根治治療薬がまだできていないが、脳の病気であり本人の心や精神、家族などいろいろなものに関わることから、できるだけ早い段階から医療的な対処をすることにより進行を遅らせつつ、その間に将来に向けていろいろ対応いただいている。確かに対処療法的ではあるが、これが今の私どもの施策の基本である。また、厚生労働省が昨年夏に認知症施策推進5か年計画を作成した際にモデルとしたとされるイギリスやオランダの事例も確認したが、やはり早期発見が基本である。そのため、イギリスでは医療者も入ったチームを作り、認知症の初期段階から本人や家族にアプローチし、今後の対応についての説明をして、その後の支援を展開している。厚生労働省も同計画において、認知症初期集中支援チームを来年度モデル事業として実施することとしており、新聞報道では神戸市が手を挙げているとのことなので、我々も十分フォローしてまいりたい。いずれにしても我々も早期発見、早期受診については、しっかり取り組みたい。

(3 特定テーマに関する調査研究)
 「社会保障制度改革の今後と生活保護制度の見直しについて」をテーマとし、「国における社会保障制度改革に対する県の考え方」及び「生活支援戦略の検討状況」について、健康福祉部企画調整参事及び社会援護課長の説明を聴取した。

(きだ 結委員)
 生活保護の受給世帯については、昔は高齢者世帯の割合が多く、現在は稼働年齢世帯にも広がっているということだが、県下ではどの程度占めているのか。

社会援護課長(成田貴雄)
 その他世帯として分類される中に、稼働年齢世帯が多く含まれている。全体の16.8%がその他世帯となっており、平成19年は9.7%であった。全体数も増えているがその他世帯の増加が大きい。

(きだ 結委員)
 私が持っているデータでは、高齢者世帯が45%、母子世帯が7.5%、傷病・障害世帯が32%と、全体から見ると高齢者と障害者がまだまだ多い。稼働年齢層の生活保護受給が問題となっているが、どのように生活保護を脱して就労につなげるかが必要である。保護費の切り下げが行われれば、最低賃金や非課税世帯などいろいろな施策に反映され、そうなると福祉医療の所得制限にも連動してくる。保護費の切り下げが行われれば、県のどのような施策に連動されるのか。

社会援護課長(成田貴雄)
 生活扶助の引き下げについては、国においても極力影響のないようにと検討されているが、市町村民税の非課税限度に影響する。これについては、平成26年度以降の税制改革で検討されると聞いている。直接的な影響としては、就学支援費用や中国帰国者への給付金など多くの問題があるが、厚生労働省では極力影響のないように検討するよう指示が出されている。これ以上の情報は入ってきていない。

(きだ 結委員)
 各国の状況を見ると、日本は捕捉率が非常に低く、本来、生活保護を受給すべき状態にある人の2割程度しか受けられていない。役所に行っても水際で、あるもの全てを使ってから来るように言われ、ぎりぎりになるまで受けられない状況である。しかし、イギリスやフランスでは9割以上の方がきちんと受けられる。必要なときに入りやすくて、必要がなくなれば出られる体制を作ることが一番大事である。今回の国の報告書を受けて、県でも取り組むことになるのだろうが、例えば、女性がDV被害を受けて、どうしようもなくて生活保護を受けなければならないときに、扶養義務者の確認を強化することになれば、入りにくくなる。生活保護を受けた後に就労して、生活保護から出て行くためにも、受けにくくなることはするべきではない。その点も検討をされたい。

社会援護課長(成田貴雄)
 捕捉率が低いというご指摘については、32%というデータも一部で出ているが、水際作戦というようなことが現にあってはならず、各市、福祉事務所に指導、監査で回る際に、そのようなことがないよう指導を強化している。また、必ずしも扶養義務を求めるものではなく、DV被害や児童虐待などの個々の事情に応じて、個別の取り扱いを行っている。水際作戦というようなことがないように努めてまいりたい。

(きだ 結委員)
 連絡してはいけない相手に連絡をしているケースも実際にはあると聞いている。そのようなことがないように、各市町、区役所に徹底されたい。


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