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2014年度決算特別委員会

10月15日 健康福祉部…学童保育、看護師確保対策

2015年10月15日

学童保育制度について

■きだ結■ 早速、質問に入らせていただく。まず一つ目、学童保育制度についてである。
 放課後児童クラブ、学童保育は日中、保護者が働いている小学生が放課後安全かつ豊かに過ごす生活の場である。学校が終わると子供たちが、ただいまと帰ってくる第2の家庭である。
 全国学童保育連絡協議会の調査によると、今年5月1日時点の全国の学童保育数は2万5,541ヵ所、入所児童数は101万7,429人、入所児童数が初めて100万人を超えた。特に今年度激増したのは、一つは児童福祉法改正により学童保育の対象児童が小学校6年生までになったこと。もう一つに子ども・子育て支援新制度により新たに期待が広がり需要が掘り起こされたことによるものだと思われる。
 そこで兵庫県の今年度、現在の学童保育数、利用児童数、そして把握している待機児童数の現状をお伺いする。合わせて今年度の拡充計画についてもお伺いする。

■こども政策課長(上田賢一)■ 平成27年5月現在の放課後児童クラブの箇所数は、882ヵ所で昨年度の873ヵ所から9ヵ所増加した。
 また、今年度から補助の単位となった児童、概ね40人の支援の単位で989ヵ所となっている。
 また、登録児童数は4万763人で、昨年度の3万6,977人から3,786人増加している。
 一方、待機児童数であるが、今年度は、申込者数や申込率が増加したことにより、待機児童数は昨年度の466人から805人と、339人増加している。
 今年度中の計画については、新たな施設整備や受け入れ児童の増加などの取組を進めており、市町と個別の協議を進めた結果、今年度中に35ヵ所の新設、66ヵ所で受入数を増やすための施設の充実を見込み、現在、取り組んでいる。

■きだ結■ 今、お答えいただいたとおり、毎年確実に増えてはいるものの今年度の県の目標値、学童保育数1,100ヵ所、登録児童数4万2,540人にはまだ届かない現状である。
 そして、待機児童は805人といわれたが、潜在的な需要を考えると、厚生労働省の調査でフルタイム勤務に近い母親を持つ子供について、低学年、小学3年生までに限って、兵庫県にこの概数を当てはめて、比率で計算すると、大体3万3,400人となり、1小学校当たり約42人の潜在需要があると推測される。
 また小学校765ヵ所に対して学童保育未設置校区数が、84校区あり、量的拡充が急務であるので、進めていただきたいと思うと同時に、とにかく児童の受け皿を作ればいいというものでもない。次に移る。
 国は2007年に策定した放課後こどもプランで放課後児童クラブと放課後子ども教室事業を一体的、あるいは連携して推進するとして、今年度の国の補助でも誘導を図っている。
 しかし、放課後子ども教室は地域の方による体験活動や見守りなどが主であるのに対して、放課後児童クラブ、学童保育は、昼間働いて保護者がいない家庭の代わりにおやつをみんなで食べたり宿題を済ませるなど、生活の場を提供するもので、目的、役割、活動内容、職員、子供への関わりが異なっている。
 二つの事業を同じ場所で同じ職員が対応する一体型では、学童保育の役割は果たせないと思う。
 そこでお伺いする。量的拡充を図るとき、小学校の空き教室を使うことはもちろん否定しない。しかし、受け入れ人数を増やすための安易な一体化、一体型ではなく、空き教室を使う場合でも学童保育は放課後を過ごす生活の場として保育内容、人員体制が確保されなければならないと思うので、ご答弁いただきたい。

■こども政策課長(上田賢一)■ 放課後児童クラブと放課後子ども教室を一体的に運用することについては、国の放課後子ども総合プランでも推奨されており、地域の実情に応じて各市町において実施されている。
 県としては、クラブと教室を一体的に運用することは希望する児童が放課後等を安全・安心に過ごし、多様な体験活動を行うことができることから、関係者の連携協働を依頼する文書をこの程健康福祉部長と県教育長名で市長あてに発出し、その取組を推進している。

■きだ結■ 一体型を推進するという答えだったが、二つの役割の違いをぜひ認識し、それぞれ充実するよう、改めて強く要望しておく。
 もう一点は、量的拡充する上でも必要な質の向上、指導員、放課後児童支援員の処遇改善についてである。
 現在、公設・民設問わず、指導員の約8割は不安定な非正規雇用で、約7割近くが年収150万円未満という状況に置かれている。安定的に働き続けられる条件でないため、勤続1年から3年の指導員が半数を占めている。一生の仕事として働き続けられるような労働条件の改善が急がれると思う。
 そこで、昨年度から設けられた国庫を活用した処遇改善事業を実施した県内の自治体数と今年度の見込みを伺う。

■こども政策課長(上田賢一)■ ご質問のあった制度であるが、平成27年度から新たに設置された放課後児童支援員等処遇改善事業であり、これは平成26年度にできた、放課後児童クラブ開所時間延長支援事業の要件緩和であるとか事業内容の見直しが行われたものである。
 その結果、家庭、学校等との連絡及び情報交換等の育成支援を主担当として従事する職員が配置される場合、あるいは平日につき、18時30分を越えてのクラブが開所される場合、また平日は1日3時間以上、長期休暇等については1日8時間以上、かつ年間250日以上が開所される場合、そして平成25年度と比較して賃金を改善したことを要件として、児童40人の支援の単位あたり、非常勤職員の場合年額153万9,000円、常勤職員の場合は283万1,000円の加算を行うこととなったものである。
 しかしながら、この制度については、この3月に国から示されたところであり、市町の当初予算編成に間に合わなかった事情がある。その結果、今後とも市町に取組を促しており、放課後児童支援員の処遇改善に努めている。現在、国との協議中であり、結果が出ていないので、市町数は明らかにすることはできないのでご了解いただきたい。

■きだ結■ 昨年度は、放課後児童クラブ開所時間延長事業について、お聞きしたが補助申請をした市町はなかったとのことであった。今年度はまだ協議中、明らかにできないといわれたが、協議中は4市あるとお聞きしている。
 いずれにしても事業化が難しく、何か足かせがあるのではないかと思っている。
 今年度も事業化のために国と協議しているのは、全国でもまだ197自治体にとどまっていると言われている。国と県が補助事業を示しても市町で事業化、予算化されていない現状があるので、今も市町に働き掛けていただいているとは思うが、例えば財政負担が厳しいような事例が多ければ、国に対して3分の1ではなく例えば2分の1負担を求めるなどを、働き掛けていただいて、処遇改善につながっていくようにしていただきたい。
 次に、放課後児童クラブ事業の一翼を担う民設の学童保育への支援についてである。
 神戸市では現在、学童保育の施設数は198ヵ所で、その2割に当たる38ヵ所は民設が担っている。
 児童館に併設されているなど公設の学童保育では、保育料は月4,500円であるが、市からは補助金を受けて保護者たちが運営している民設の地域型学童保育の保育料は月8,000円から1万8,000円である。これまで助成額が増えてきたとはいえ、まだまだ運営は厳しく、父母が払う保育料に負担が傾斜しているのが実態である。
 保育内容がいいとか警報発令等で学校が休校でも子供を預かってもらえる、土曜日や長期休暇のときには手づくりの昼食が提供されるなどを理由に民設の学童保育に入らせたいと思っても、保育料の負担が大きいことで入所を諦める方、入所しても途中で退所せざるを得ない方が少なくない。
 私自身も父母が運営する民設の学童保育で子供がお世話になっているので、このような事例は残念ながら毎年のように目の当たりにしている。
 そこで、市町と連携した民設の学童保育も一翼を担っているので、家賃補助、運営費補助の思い切った増額を県単独の補助で行っていただきたい。併せて市町が独自に行っている低所得者、ひとり親家庭などに対する保育料の減免制度を運営主体によらず適用されるようにするため、県として減免制度を創設するなどの支援をしていただきたい。
 減免制度はあるものの、公設にしか適用されていないので、ぜひ、検討していただきたいと思う。前向きな答弁をお願いする。

■こども政策課長(上田賢一)■ まず、家賃補助等についてである。放課後児童クラブに対しては、私ども県としては子ども・子育て支援交付金交付要綱に基づいて算定した基準により県が3分の1補助を行っており、新たな助成の検討はしていない。
 なお、今年度新設された放課後児童グラブ運営支援事業においては、平成27年4月以降に開設するクラブを対象として、賃借料が補助の対象とされている。面積を拡張するために移転する場合の移転先での賃借料も含まれることから、その活用を市町に対して働き掛けていきたい。
 また、利用料の減免については、市町においては生活保護世帯、あるいはひとり親世帯、非課税世帯などに対して全額や半額などの独自の減免が行われており、それぞれの市町の実態に応じて、直営、委託、補助などの対応がされていると考えている。
 県としては、施設の拡充などの量の確保のための助成や放課後児童支援員認定資格研修の実施などによる、質の向上に優先的に取り組むべきと考えている。

看護師確保対策について

■きだ結■ 国の新しいメニューで運営費補助、家賃補助などが出るのことだが、新規であり、今頑張っている既存のクラブに対してもぜひ引き続き検討をお願いしたい。
 次に移る。看護師確保対策についてである。
 まず、看護師数の現状についてである。平成26年12月31日時点の保健所別・就業場所別看護職員就業者数は、全体で6万2,362人、うち病院診療所就業者は助産師を合わせて5万1,020人である。
 第7次看護職員需給見通しでは、平成26年の病院診療所の事業見通しは5万1,054人であり、この数字だけを比較すると充足率99.9%となる。
 しかし、医療現場の実感はこれに程遠いという。看護師確保の手だてが取りにくい民間の中小病院では、病床閉鎖も余儀なくされたり在宅医療、訪問看護の需要が増加する中、看護師不足、また厳しい労働条件や制度改定で閉鎖する訪問看護ステーションも増えている。
 そこで、県内の看護師の需給状況について県の認識を伺う。併せて、第7次看護職員需給見通しは今年度までの見通しだが、今後の需給見通しについてはどのような策定をされようとしているのか伺う。

■医務課長(松原昭雄)■ 看護師業務従事者届によると、6万2,362人で、平成16年と比べると約1万2,800人増えている。
 ただ、有効求人倍率を見てみると、看護師は3倍ぐらいで推移をしており、少し高いと思う。
 また、全国の話になるが、9月に看護サミットが東京であり、看護部長にアンケートをとったところ7割ぐらいの方がやはり少し不足していると感想を記入していたので、充足しているとは言い難いと考えている。
 また、看護職員の需給見通しは27年度までとなっており、本来であれば28年度から新計画になるのだが、国では30年度に保健医療計画や介護の計画の見直しがあり、地域医療構想を県で策定していくことになるので、28年度、29年度の看護の需給見通しはどのような推計を行うのか、国の検討会で、現在、検討しており、内容については、まだ示されていない。

■きだ結■ 事前の聞き取りで、看護職員需給見通し検討会を設置する考えだとお聞きした。先程7割の病院の方が充足感はないとのことだったので、そういった実情が反映されるような見通しをいただきたいと思う。
 次に離職率についてお伺いしようと思っていたが、時間の関係でコメントだけにさせていただく。
 離職率は、毎年、日本看護協会の調査で公表されているが、一昨年度の兵庫県の看護職員の離職率は、常勤看護師で13.3%、新卒看護師で8.6%と、ともに全国平均より高く、東京、神奈川、大阪についで4番目となっている。ずっとこういった傾向なので、その理由について伺ったところ、都市部では離職しても、また次に移れる病院があるからではないかということだった。看護協会の調査では、平均在院日数が14日以下の病院では高いなど、一定の傾向があると思うので、分析を加えていただきたい。離職率が高いのは質の確保にも関わってくるので、分析も加えていただいて離職防止策に生かしていただきたい。
 次に、再就業支援についてである。私もこの問題はたびたび議会で求めてきたが、昨年度から民間病院が行う再就業支援事業であっても助成されるようになった。
 民間病院であっても看護職員確保にとどまらず、地域の潜在看護師の掘り起こしに非常に有効である。民間病院の方からは非常に喜ばれている。  そこで、昨年度の看護職員復職支援研修助成事業の予算枠と実績を伺う。

■医務課長(松原昭雄)■ 平成26年度に医療介護の推進基金を活用して事業を開始したが、予算額として1,500万円、実績額は約400万円である。

■きだ結■ 1病院当たり上限50万円である。まだ1年目だが、予算枠と比べて実績が少ないのは、周知が足りなかったからと思う。今年度は全病院に周知したとお聞きしているので、活用されるようにしていただきたい。
 ただ、毎日の業務を運営するのも大変な病院がほとんどだと思うので、自らの職員を確保することであっても、再就業のセミナーを行うのは、大分、力が要ると思うので支援をお願いしたい。
 最後に、看護学生に対する奨学金制度についてである。
 復職支援研修の助成事業は既卒の確保・掘り起こしになるが、次は新卒の確保についてである。
 昨年の決算でもこの問題を取り上げた。私がなぜこれにこだわるかというと、平成19年度で廃止された、看護師等修学資金対応事業、これは県内の200床以下の病院に就職すれば奨学金返済が免除されるというもので、全国都道府県で同じような奨学金制度があり、民間の中小病院への新卒確保の上で必要で非常に有効だと思う。
 今、看護師不足といっても押並べてどこでも不足しているわけではない。例えば国公立の大病院は離職率も高いが募集をかけるとすぐに充足する。
 そして新卒者の大病院志向もあって、なかなか新卒で民間の中小病院へ就職する方が少なくなっている。
 大病院と中小病院の役割はおのずと違ってくる。大病院は主に急性期医療で、急性期のプロフェッショナルを育てていく。中小病院は、例えば私のもと職場の病院では、3年間の地域看護師の研修プログラムがあって、在宅にも関わることで、急性期、慢性期を担う中小病院の人材を育成する。
 今後、地域包括ケアの中でも民間中小病院は地域の中ではなくてはならない存在である。この人材育成の上で民間中小病院にも既卒とともに新卒が一定バランスよく就職してこそ質を高めることができる。
 兵庫県が廃止した奨学金制度は全国のうち41都道府県にある。ないのは山形県・岐阜県・広島県・愛媛県・佐賀県と兵庫県の6県のみである。昨年の決算でもお伺いしたが、廃止した理由は貸与希望者が大きく減少し、指定施設の就業率が低いことを挙げられていたが、廃止に向かう4年、5年前の制度の周知が十分でなく、当時の看護学生の方も知らなかった方もいるので、貸付が減ったのではないかと思う。現に、41都道府県で実施しているので、やはり続けていることには何らかの意味があると思う。
 民間病院の看護師で作る兵庫県の看護奨学金制度を考える会が行ったアンケートの結果では、学費の高さを背景に日本学生支援機構をはじめ奨学金を借りて就学している学生が実に7割いるという。就職先が決められた民間病院の奨学金だけではなく、自治体の奨学金の希望が非常に多くある。もちろんこれは自治体からもらったからにはその地域で働いて恩を返す意味がある。
 そこで、大病院とともに欠くことのできない県内中小病院への新卒者の就職を促す県奨学金制度の復活、創設を考えていただきたいと思う。
 今、予定はないと思うが、私が申し上げたことも検証していただきたい。せめて検証するぐらいの前向きな答弁をいただけないかと思う。よろしくお願いする。

■医務課長(松原昭雄)■ 委員もおっしゃったとおり、復活する予定は今のところ考えていない。検証も今のところしなくてもいいのではないかと思っている。
 というのも、委員もおっしゃったように、ニーズに合わなくなってきていると思う。この制度は昭和40年ぐらいから始まった。貸した金額にしても、50億円以上をお貸しして、そのうち約7割ぐらいの方は、返還も免除して就業していただいたが、その当時と比べると、ニーズが変わってきた。去年もこの場で当時の医務課長が答えている。
 そのようなことがあるので、違う制度で誘導していこうと思っている。まず養成の話で、看護師になってもらわないと何も始まらない。
 したがって、高校の進路指導の先生方を集めた説明会も開催させていただいているし、また中学生や高校生を対象とした看護系学校への進学説明会も開催している。
 また、看護師の養成所に対しては、一定の運営費を県から助成しており、そのときに県内にどれだけの方が残ってくれたか、県内定着率を上げていく意味で運営費に若干の加算することもしている。
 というのも、看護大学が増えてきて、県外へ出ていく人が多くなっている。養成所の学生も、県外へ行こうかということになったら何もならないので、県内定着率を上げる教育をしていく意味で、養成所への運営経費についても一定のインセンティブを与えて看護師の確保に取り組んでいる。

■きだ結■ ほかの方法でということなのだが、先程も言ったが、41都道府県がまだ行っているのには意味があると思う。また、大学の学費も非常に高いので、県内に残ってほしいというメッセージも込めて、この看護修学資金は引き続き検討していただきたいとお願い申し上げて質問を終わる。ありがとうございました。


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