2022年度予算特別委員会
2022年03月07日
○きだ 結委員 日本共産党のきだ結です。
大学生支援を求めてお伺いする。
日本の学費は世界的に見ても非常に高く、授業料だけで、国立大学でも、今、年間54万円、私立大学では平均93万円、多くの学生がアルバイトや奨学金頼みで家族の負担も限界に来ている。加えて、他の先進国にはない入学金制度、私立大学で平均約25万円、国立大学で約28万円の負担が進学の足かせになっている。
2020年4月からスタートした授業料等減免給付型奨学金がセットになった高等教育修学支援新制度は、住民税の非課税世帯と、それに準ずる世帯が対象で、成績基準などをクリアした学生が学校推薦で選ばれるなど、あまりにも要件が厳しいものになっている。
また、コロナ禍のもと、家計やアルバイト収入が減った学生への10万円の学びを継続するための緊急給付金は、先ほどの修学支援新制度の利用学生と自らのアルバイトで学費を賄っている学生など、その対象は限られている。
地元の甲南大学にお聞きすると、高等教育の修学支援新制度の利用学生は、全学生約8,600人のうち867人、学びの緊急給付金の受給者は、修学支援新制度利用者を除くと、わずか141人、修学支援新制度利用学生と合わせても1,008人、全学生の約11.7%しか対象になっていない。
そこで、現在の大学生や家計の学費の経済的負担についてどのように認識されているのかをお聞きするとともに、各自治体の取組に任せず、広域行政として国の制度を補完する県の大学生支援制度が必要と思うが、いかがであろうか。
○大学室長(森本 昌) 大学生の現状についてであるが、先ほどご紹介あったように、一定の額、家計の負担も求めながらの進学ということにならざるを得ないという状況である。
こうした中で、先ほどもあったとおり、国による令和2年度からの修学支援新制度、こちらのほうが消費税の増税分を使う形で全国的な対応として取り入れられたところであるので、私どもとしても、まずはこの制度の実施状況であるとか、それの効果といったものを含め検証していく必要があろうかと思っている。
また、学生の置かれた状況によると、文科省の調査で、大学・短大・高等専門学校においては、昨年の4月から12月の間にコロナを理由とした中退者、全国ベースであるが、約1,900名、全学生に占める割合でいくと0.06%ということである。また、そのうち経済的な困窮が理由の学生というのが、そのうちの約2割、380名ほどということになっている。
ということで、県の独自の支援制度の必要性ということではあるが、やはり学ぶ意欲のある若者への学習機会の確保に向けた支援は全国的な課題であると考えており、本県としても国が設けている修学支援新制度、こちらが高校生の制度に比べ、かなり所得基準が厳しい設定になっているので、こちらのほうをまずは緩和していくということを国に対しては求めているというところである。
○きだ 結委員 今、ご紹介いただいたように、3月4日であったか、先ほどのコロナの影響で大学を中退した方が1,937人だと。そのときに休学者も出ており、5,855人で前年比で3割増しということで、この理由の詳細については分からないものの、非常に困難な状況があったということは読み取れると思う。支援がやはり十分でないということである。
再質問をさせていただきたいが、知事も一時は月15万円の奨学金を借りていたと本会議でも言われていた。であるから、本当に高額費の負担というのは痛いほど実感されていると思う。それで、知事の公約で大学生支援というのを盛り込まれていたのだと思う。
先ほどは、修学支援新制度の要件緩和、もちろんこれは求めていただきたいが、自治体とか大学で独自の支援をしている、例えば宝塚市では大学生、もしくは保護者が市内在住で修学支援制度の利用学生以外の利用者を対象に、世帯年収の減少に応じて10万から20万円の給付型奨学金制度を作りました。
また、各大学でも支援新制度の利用学生以外を対象とする学費減免制度などを作って支援を行っているところであるので、やはり足りないという認識のもと、こういう自治体の取組、大学の取組があるので、知事の公約ということもあるし、やはりこういった自治体・大学任せにしないで、国の制度を補完するという意味で、ぜひ考えていただきたいと思うが、もう一度、いかがであろうか。
○大学室長(森本 昌) 自治体単位での大学生への支援方策の検討に当たってであるが、先日の本会議でも答弁したように、やはり財源的には本県大変厳しい状況にあるということもあり、今の段階ではなかなか難しいという点がある。
また、大学という高度な専門性を学ぶ高等教育機関ということになるので、学生もそれぞれ自らの将来の展望に基づき全国の大学の中から進学先を選んでいるという実態がある。
こうした中から、兵庫県の県内への大学への入学者の状況も見てみると、半数が県外の高等学校出身者といった状況もある。また、最たる例の一つとしては、今年度開学した芸術文化観光専門職大学などでは、44都道府県からの志願者があるという形で、そういった幅広い学びができるということを補完するということでは、やはり全国的な学生の動きというものを踏まえ、全国一律での共通した支援制度となることが、まずは望ましいのではないかと考えており、引き続き国のほうには支援策の充実を求めていきたいと考えているところである。
○きだ 結委員 繰り返しになるが、知事が必要だと思い公約されていたということもあるので、ぜひこれは引き続き検討していただきたいと思う。
次に、下宿学生への支援についてである。
県内青年団体が行っている食料支援時に寄せられる声として多いのが、アルバイトの減収を補填する給付金とともに家賃の補助の希望がすごく寄せられている。授業時間以降で飲食店のアルバイトが多い学生は、現在、シフトがほとんど入らない状態である。また、ゼミ生や就活生は、感染の回避のためにアルバイトをしないように言われているところもあるとお聞きしている。家賃の負担が重くのしかかって、食べることを切り詰めるしかない学生も少なくない。
朝来市では、コロナの影響の緩和のため、学生、もしくは保護者が市内在住の方に、昨年12月と今年1月の家賃の2分の1、2ヵ月分で上限4万円を支援する市独自の大学生等への生活支援臨時給付金家賃支援を行っている。2月1日から始まった申請では、2月25日現在262件受け付けているとのことで、ニーズの高さがうかがえる。
そこで、コロナ禍で特に生活が厳しい下宿学生への家賃支援、県独自に実施することを求めるが、いかがであろうか。
○大学室長(森本 昌) 先ほどからの答弁で申し上げている国の修学支援新制度として措置されている給付型の奨学金では、私立大学生の場合の例であるが、支給額が自宅からの通学者に対しては年間46万円に対して、自宅外からの通学者はほぼ倍額の91万円となっており、自宅外の学生には約45万円の増額が行われている。この増額分が、実家を離れて生活するに当たっての家賃も含む負担分への支援として措置されているものと考えている。
○きだ 結委員 それでもやはり足りないということで、こうやって独自に自治体などは支援をしているわけであるので、やはり必要性はあるということで、ぜひ引き続き検討いただきたいということと、繰り返し国に対して修学支援新制度の要件緩和、それから、もともと高等教育の無償化、段階的無償化を国際公約、日本はしているので、これを履行するという点で、大学学費の無償化をぜひ求めていただきたい。
それから、大学生支援というのは知事公約の政策であるので、当初に今回に間に合わなかったとしても、年度途中でも補正でもできるわけであるので、ぜひ強く要望して質問を終わる。ありがとうございました。
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