健康福祉常任委員会
2020年07月27日
○(健康福祉部関係)
○(1 付託議案審査)
第78号議案 令和2年度兵庫県一般会計補正予算(第3号)中
第1表 歳出関係部分
報第4号 専決処分の承認
以上2件を一括議題とし、社会福祉課長の説明を聴取した後、質疑並びに意見の開陳を行った。
○(きだ 結委員)
① 重点医療機関等入院病床の確保のため、今回、HCU病床などが新たに加わるが、その協力医療機関の考え方について聞きたい。
確定診断までの間、疑い患者専用の個室を設定して、患者を受け入れた医療機関とは、例えば4月時点でもその前に遡り、事実として検査がすぐ受けられない、検査をしても入院させてもらえない患者を受け入れたところが対象になるとの理解でよいか。
○感染症等対策室長兼疾病対策課長(山下輝夫)
① 4月まで遡及可能であり、県から要請を受けていることがしっかり確認できれば遡及できると考えている。
○(きだ 結委員)
① 県から設定した時点でなくても、その時に例えば神戸市内でいろいろ病院を当たったが、普段はそういう患者を受け入れていない病院で、お返しすることもできず、仕方なく受け入れたとの報告はあると思うが。
○健康福祉部長(藪本訓弘)
① まず1点は室長も申したように、4月に遡るが、現実問題として重点医療機関、協力医療機関はこれから指定していく。それに当たっては、これまで患者、疑い患者の受入実績のある医療機関で、実際に協力医療機関の指定をするには、きっちり個室管理をしているか、また人工呼吸器や酸素吸入器の設備が整っているかという施設要件が国で決められているので、十分確認の上、要件に合うところは4月に遡って指定し、実績を見ながら空床補償についての支援をしていきたいと考えている。
○(きだ 結委員)
① 指定するかどうかは、実際、その時に仕方なく受け入れざるを得なかった、急遽、病床を空けて受け入れたという実績に対して、やはり評価してもらわなければならない。指定すると今後もそれがまた続くわけで、そのような医療機関としての役割を持ってほしいことになると思う。
○健康福祉部長(藪本訓弘)
① 先ほど申したように、実際に受け入れた医療機関は、国の定める施設要件をきっちり満たしていれば指定する。
○(きだ 結委員)
② 次に、PCR検査体制の拡充について、今日も本会議で質問が幾つかあったが、知事も藪本部長も、感染拡大、クラスター発生の懸念がある施設、学校なども含めて、もし陽性患者が出れば、濃厚接触者でなくても対象を広げる考えで幅広く検査の対象とするとの答弁であったと思うが、その理解でよいか。
○健康福祉部長(藪本訓弘)
② 先ほどの答弁では、医療機関、介護施設、学校などで陽性患者が発生し、感染の広がりが懸念され、クラスターとなる可能性があると思われる場合は、濃厚接触者だけでなく、幅広く関係者を検査すると申し上げた。
画一的に、感染がある地域全体の医療機関云々というのは、まず指定が難しく、いろいろな検査にも制度の問題もあるので現実的ではないが、施設で感染患者が確認され、感染の広がりが懸念されると現場の保健所が判断すれば、濃厚接触者にかかわらず広く検査していきたい。
現に阪神間の市でも昨日今日あたりそのようにしている。先週火曜日に県の専門家との協議会の場で意見を諮り、そのような方針を決めている。それまで阪神間、神戸市で取扱に若干違う部分はあったが、基本的には、保健所が感染の拡大について具体的に判断するため、画一的には決められない。県としては幅広く弾力的に検査を行っていきたいと考えている。
○(きだ 結委員)
② 先ほど本会議の質問でもあったように、例えば垂水中学校では、割と幅広く検査されたが、神戸市内の私立中高学校では濃厚接触者のみとのことである。改めて学校に聞くと、本心は教員だけでなく、関わっていた生徒もやはり検査してもらいたいと言われており、その扱いに違いがある。横から見て何が違って検査してもらえないのかはなかなか理解できないと言われていた。実際に複数人の陽性患者が出ている学校でもあり、そこは政令市でもやはり県としての何らかの対応、危険があるとすれば囲い込みで検査をするなど、ぜひ言ってもらいたい。
同じように、例えば、宝塚高校でも陽性患者が出たが、検査は濃厚接触者に止まっているとも聞いている。例えば、感染者の方は阪急バスで通学しているが、非常に限られた人数しか検査しておらず、一緒に通学している子たちも検査してもらいたいとの声も聞いている。感染拡大防止のために検査対象を広げるのはやはり必要ではないかと思うがどうか。
○健康福祉部長(藪本訓弘)
② 先ほども申し上げたように、陽性患者が出て感染の拡大が懸念され、集団感染の恐れがあると、まずは画一的に決めるわけにはいかないので、現場で判断する。その中で、検査についても1日にやみくもに千件、二千件も同じ場所でできるものではないので、やはり感染の拡大が危ないところから順次行い、基本的に幅広く検査するのが県の方針である。政令市、中核市の保健所設置市とも情報共有を図りながら感染拡大防止に向けて何が必要か、その対策を進めていきたいと考えている。
○(きだ 結委員)
② 市中感染が広がりつつある状況に入って来ていると思うので、やはり先手を打って濃厚接触者はもちろん漏れなく検査していくのは必要であるが、もう少し早く保護していく観点でぜひ進めてほしい。
③ 最後に、医療従事者関係の慰労金の問題である。先ほども私ども共産党の本会議質問で、保険薬局の薬剤師、保育所の職員が入っていない点をただしたが、どちらも事業継続を言われた職種である。
特に保険薬局は医療従事者であり、クラスターが発生するリスクは少ない、実際にクラスターが発生していないからとの理由であるが、例えば、厚労省もなぜ薬局が入らないのかは、医療機関の医療従事者とはまた違うという答えを出されているが、それ以前に、慰労金の趣旨は、患者と接する業務に従事する医療従事者、職員を対象としており、薬局を対象外にするのは非常に矛盾している。実際、体調が悪くて来られるのが病院であり、中には検査を受けた方の家族が薬局まで薬を取りに来て待たれることが日常的にある。防護服もない中、非常に緊張状態で保険薬局も従事していたことをぜひ評価してもらいたい。秋田県では、独自に慰労金の対象にしている。
また、接触が避けられない保育所の職員も対象とするようにやはり検討してほしい。今、検討する予定はないとの答えであったが、ぜひそのような実情を知ってもらいたい。再度お願いする。
○健康福祉部長(藪本訓弘)
③ 調剤薬局の方をはじめ、いろいろとコロナの中で大変ご苦労いただいたことについては我々も十分承知している。答弁の繰り返しになるが、そもそも包括支援交付金で行う事業であるとの理由で国が認めていないだけであって、どこで線を切るかはなかなか難しい問題があると思う。医師だけで区切るのも一つの考えとして、歯医者や薬局も入れて、また次にどこで線を引くかは制度設計上の問題である。我々は包括支援交付金を活用する以上、その制度の中で行うしかないのではないかと考えている。
逆に今言われたようなことがあるなら、おそらく保育所も含めて国に対して要望していくし、薬局についても他府県の状況を踏まえて、全国知事会などにそのような声があれば、要望活動をしていきたいと思っているが、現時点では、国の制度の枠内で支給するということなので、その点はやはり県として一定の限界があるのではないかと考えている。
○(きだ 結委員)
③ 薬局や保育所からは、やはり自分たちもぎりぎりの緊張した状態でやってきたという声が上がっているので、ぜひそういう声を国にも届けるとともに、県独自で検討してもらいたいことを重ねて要望しておきたい。
○(審査結果)
以上で質疑並びに意見の開陳を終局し、直ちに表決の結果、第78号議案中関係部分及び報第4号については賛成全員で、いずれも原案のとおり可決または承認すべきものと決した。
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