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健康福祉常任委員会

12月9日…看護師離職 介護施設の定期PCR検査 クラスター 医療機関受け入れ 学校の検査 国保料 精神科医療のあり方 コロナ禍の福祉職場 公費PCR検査

2020年12月09日

○(病院局関係)
○(1 付託議案審査)
第110号議案  令和2年度兵庫県病院事業会計補正予算(第2号)
第120号議案  損害賠償額の決定

以上2件を一括議題とし、経営課長及び企画課長の説明を聴取した後、質疑並びに意見の開陳を行った。

○(きだ 結委員)
今の原委員とも重なるが、私どもも人員について非常に心配しており、大阪府ではコロナの専用病院の中から看護師の離職が相次いでいることで、やっぱり長期間の緊張状態を強いられて、頑張ろうと思ったが駄目だったという方が離職しているのがどこにでもあるのではないかと思う。
現時点で、この議案が出たときも、もともと今、大体20床ぐらいあってそのうち12床を外に出すと聞いていたが、先日の神戸新聞でも、実際に受け入れるコロナの重症病床は、人員の配置もあって、県が公表している数よりも少ないということで、この加古川医療センターについては、最大受入可能数は今、10床から11床とのことである。その時点で8床、残りあと2、3床でもういっぱいになる。だから今の人員で離職とかはあるのかないのか、実態も含めて12床外出しすることが大丈夫なのかと思っており、現状を踏まえてその辺はどうか。
○管理課長(原田剛治)
加古川医療センターが3月からずっとコロナ患者を受け入れて、もうすぐ1年が経とうとする。一応、来年度の改善に向けて、今それぞれ看護師から意向調査などをしているが、今の離職状況でいくと、県立病院全体としても加古川医療センターとしても、例年とほぼ変わらない状況なので、今、他府県で言われているような、看護師の大量退職というような事態には陥っていない。また一応、年度途中に辞める方、あるいは3月末で退職される方に直接理由等を尋ねてもコロナを理由にした退職というのは今のところはない状況である。
新病棟についても12床であるが、実際、通常の病院であれば、一番手厚い看護体制で2対1、ICUは2対1であるが、コロナの重症患者を診ようと、患者1人に対して1.5人とか2人ぐらいの夜勤体制を組もうとすると、すごいマンパワーが必要になる。だからその辺を踏まえると、先ほど言ったように、8床から11床くらいで運営していき、それ以上になると本当に大量に看護師を動員しないといけないので、そういう意味ではなかなか運営はしにくいので、今はとりあえずその8床から11床のキャパで頑張っている状況である。
○(きだ 結委員)
キャパというか人員にやっぱり限りもあり、そこで何とか踏ん張っている状態と思う。加古川医療センターが本当の最後の砦になっているので、何とか離職されないように、燃え尽きないように、手当ても考えながらお願いしたいと思う。
もう1件、120号議案の損害賠償額について、解決額としてはいいが、今概要を説明してもらったように、担当医あるいは読影医と、この中には少なくとも3人の先生方が出てくる。それはもちろん普通にあることであるが、この間、県立病院で、例えばレポートに記載したがそれを見落としていたとか、今回の場合はレポートを書いて見たが、その後の検査なり手続をミスしてしまったということで、何重にも重なってこういう不幸なことが起きたと思う。
やはりこれを今後再発させないために、少し前に誰が起動しても、パソコン上にポップアップが出ても、その内容を例えば、検査のオーダーをしたかどうかまではチェックできないとも聞いており、再発防止するためにこれをどうしようとされているのか聞きたい。
○企画課長(柏木英士)
委員ご指摘のとおり、今回についてはレポートの確認漏れではなく、レポートは確認したが手続をしなかったということである。読影漏れについては、これまでの複数読影医によるダブルチェックとか、担当医と読影医によるダブルチェックをしていくことを公表しているが、今回それがきちっとできていなかったということである。
改めて、そういう再発防止を徹底していくとともに、今回については担当医が、読影レポートが書かれていたが、記載を見てちょっと緊急性が低いとか、具体的に言うと念のために経過を見てくださいというようなレポートの記載であったので、おそらくその緊急性が低いと判断したのではないかという推測がされている。そういったレポートの記載内容も含めて、改めて対応していきたいと考えているのでよろしくお願いする。
○(きだ 結委員)
先生たちが入れ替わり立ち替わりしてバタバタする中での対応ということもあり得るので、第三者で全部経過も見て漏れがないか、独立してできる医療クラークという話も前に少し出ていたが、そういう体制が必要ではないかなと思うのでぜひ検討してほしい。医療クラークが全能かどうか分からないが、第三者の目で一通り見ることもやっぱり必要ではないかと思うので申し上げておく。

○(健康福祉部関係)
○(1 付託議案審査)
第109号議案  令和2年度兵庫県一般会計補正予算(第6号)中
第1表 歳出関係部分
第115号議案  国民健康保険事業の運営に関する条例の一部を改正する条例
第122号議案  抗インフルエンザウイルス薬の取得

以上3件を一括議題とし、社会福祉課長の説明を聴取した後、質疑並びに意見の開陳を行った。

○(きだ 結委員)
この間、兵庫県内でも医療機関や介護施設でクラスターが多発している。今回の議案の中には、厚生労働省も特に医療機関と介護福祉施設の中でクラスターが発生すると、それは重症とか死亡事例につながっていくということで、高齢者施設、医療機関への一斉定期的な検査を自治体にお願いする事務連絡を9月から11月にかけて4回出しているわけであるが、そうした方針はないのか。
それから、県の対処方針では、今まで介護施設とかは陽性の有無にかかわらず、発熱や咳を発症すれば検査に回すということであるが、やっぱりそれでは不十分ではないかと思っている。今の厚生労働省の事務連絡の具体化というのは今回考えていないのか。
○感染症対策課長(西下重樹)
委員が言われた一斉定期的な検査であるが、これはクラスター等が発生した際に、期間を定めず必要なときに必要な検査を実施するという具合に理解している。そういう意味においては、現在、クラスターが発生しているような施設において複数回の検査を行っている状況であるので、現在実施しているという認識である。
○(きだ 結委員)
施設だけではなく、例えば神戸市などは先日やっと、介護施設の職員と新規入所者に限るが一通り検査をすると。ただ、定期検査するが全部回そうと思ったら4ヵ月に1回ぐらいしか回ってこなくて、その頻度ではほぼ意味がないのではないかということで、これも改善すべきだと思う。
その点においては、兵庫県はまだそういう方針を持っていないので、今、具体化していると言っていたが、それはちょっと違うのではないかと。北九州市などでは、大体、神戸市と同じような対象で月1回ぐらいは、それもまだ少ないと思うが、介護施設などで高齢者のクラスターを発生させないという立場である。やっぱりそういう方針が必要ではないかなと思うが、もう一度答弁をお願いする。
○感染症対策課長(西下重樹)
神戸市、あるいは委員の言われている福岡、定期的に行うところにおいては、感染症予防の観点から、いわゆる症状がない者への複数回の検査というのは感染予防の観点からは意味がない。それで委員が言われている多発しているような地域、その定義が非常に難しいところであり、例えば新宿等で発生している夜の街と言ったような地域で検査を実施するようなところであると考えている。
○(きだ 結委員)
今、無症状の人についての検査のことを言っていたが、PCR検査を拡大しようとするのは、要するに感染者の感染力があるかどうかの確認であって、一人ひとりの診断というわけではない。今、感染予防にとって大事なのは、ある人が無症状で、例えば感染しているウイルス、それも感染力があるかどうかは、咽頭液とか唾液に出てくるかどうか。
それによって、今、現に感染力があるかどうかを診るので、そういう点で、無症状でもし咽頭液、唾液になかったら、それは感染力がないとの判断をするが、そうではなくそこに出たら、その人は感染力のある無症状の感染者ということになるので、やはりそこをちゃんと保護して感染拡大防止に努めていく検査戦略にしようと言っている。
PCR検査は、唾液にウイルスがいるかどうか、要するにそこにいるかどうかは微量で増幅するので、100%に近い感度を持つゴールドスタンダードである。もしこれを否定されるのであれば、何のためにこれで確定診断するのかということになる。そういう点で、ぜひ検査を拡充してほしい、戦略を持ってほしいと思う。
○感染症等対策室長(山下輝夫)
先ほど課長が申し上げたように、感染者が出てないところで悉皆的に行うのは感染症予防の面ではあまり効果がない。それから、PCRでウイルスの存在を確認したこと、イコール感染性を持っているかということではない。これは退院の基準が昔はPCRで陰性を2回確認していたが、治験が積み重なって、その後、PCRで陽性になる・ならないに関係なく14日が退院基準であったのが、初発から10日、72時間は症状がないことが退院あるいは退所の基準になっている。
国の通知でも、PCRで遺伝子があるから感染性があるかどうかということではない。感染性を見るためにはやっぱり培養して、それが本当に感染性を有しているかを確認しないといけないので、そこはちょっと違う話になる。だから感染症対策として全く大きなエリアで、多発してないようなところでたくさんの患者を検査することは、感染症を予防する面ではあまり効果がないと思っている。
○(きだ 結委員)
平行線になるが、例えば、私が申し上げた咽頭部の分液とかでPCRで陽性が出れば、それは要するに、初発とかくしゃみとか咳で、やっぱりある程度、感染力があるということなので、私たちはきっちり保護しなければいけない。それによって感染者そのものを減らしていくことが大事なのではないかと。今は神戸市などに行ったら病院でも多発しているので、そういう面的な検査が必要ではないかと思う。そうでなければどうやって感染拡大で抑えていくのか本当に疑問である。
○感染症等対策室長(山下輝夫)
繰り返し申し上げるが、PCR検査は遺伝子で新型コロナウイルスの存在を確認できるが、感染性があるかの確認ではない。何度も言うように、鼻咽頭ぬぐい液で、初発症状から10日以上経っていて症状がない方で陽性が出ても、それは感染性がないので退院あるいは退所できることになっている。
神戸市も多発的に出ているが、ある集中的に近接するところに出ているわけではなく、かなり分散しているので、基本的には一人ひとりの県民の皆様方の意識で感染症の対策をすること。施設に出入りする職員、あるいは入所者、業者も含めて、やはり持ち込みで起こるわけであるから、その入口はしっかりと病院あるいは施設に対策を強化してもらう。
それから、何か疑わしい症例が一例でも見つかったりすると、今委員も言われるように、必要な検査は幅広くする。これで、2次、3次クラスターが大きくなることを防いでいく。もうこの丁寧かつ地道なこと以外に今のところは感染を抑制することはできないのかと思っている。
○(きだ 結委員)
これでこの話は終わりにするが、たまたま濃厚接触者で無症状の人に検査したら陽性になればその人は保護されるわけである。本当にそれはたまたまではないかと。もしさきに言われたような感染力があるかどうか分からない、その判定にはならないのであれば、無症状でたまたま濃厚接触者で陽性になった人は保護の対象ではないことにならないか。
○感染症等対策室長(山下輝夫)
言っているのは症状など期間をちゃんと調査した上で、検査そのものを科学的な話でするものである。当然、今症状が出てきた方は委員が言われたようにPCRでウイルスがいる、イコール感染力があることになるかもしれないが、退院のときを考えたら分かるように、ウイルスはずっと1ヵ月ぐらいPCRで陽性が結構出る。これはウイルスの残骸を拾ってるので、国も言っているが、それで基準で退院を決めてないわけである。
だから、状況によって違うということで検査だけで100%全てが解決するものではなく、地道な疫学調査と患者の置かれている状況等の調査と合わせて、初めて医者が判断するという形がやはり患者を決めたり、その後の感染症の予防対策をしていく上では重要ではないかと思っている。
○健康福祉部長(藪本訓弘)
ちょっと話が拡散しているが、もともと委員が言われたのは、介護施設などについて、定期的、一斉的な検査をすべきではないかというところから始まったと思うが、その検査について、全く効果がないとは我々思っていない。たまたま症状が出ている方を拾い上げる、陽性者をピックアップするという意味においては、効果がないとは言えないが、実際問題、県でも神戸市でも3、4ヵ月はかかることで、たまたまその時に陰性だったら陰性の証明になり、かかっていないという証明にもなる。だからと言ってずっと陰性ではないわけで、そうするとやっぱり1週間に2回なり、Jリーグとかプロ野球でやっていることをやらないといけない。
そういったことを行政検査として、キャパシティの問題もあるが、やるのが本当に必要なのか、それよりもやはりもともとの感染を予防する、感染を抑え込む。そういう意味で我々は、症状がある方、濃厚接触者の方、濃厚接触者以外でも関係のある方、陽性者ではないけど熱がある方と徐々に広げていって、どこまで広げていくかという、結局、キャパシティと費用対効果の問題をいろいろ考えながらやらないといけないと考えている。
そういった意味においては、今これほどクラスターが発生している状況においては、まずそこで抑え込む、濃厚接触者を抑える、その関係者を抑えるということを一生懸命やっており、もともとは室長が申し上げたように、そういうところにウイルスを持ち込まないように、皆様方にお願いすることがベースになろうかと思っており、やみくもに全ての施設を検査することは現時点では考えていない。ただ、今のままでもいいと思っていないので、福祉施設の対策等については、対策本部会議などで引き続き検討していきたいと考えている。
○(きだ 結委員)
今言われたように、医療機関、介護施設での社会的な検査の意味はもちろんないとは言えない。そういう課題があると認識されているということで置いておく。
もう1点、今回の議案、予算についてはもちろん反対ではないが、今考えないといけないのではないかと思っているのは、病床がやっぱり公表されている以上に逼迫していて、先ほど病院局の審査でも申し上げたが、どこの病院とは言わないが、今クラスターが発生している。
県内でもたくさん今クラスターが発生しているが、本来、コロナを受け入れる病院でないところで院内感染が起きて、コロナ受入れの医療機関に転院をしてもらわないといけないところができてないという現状を複数の医療機関から聞いている。保健所からは、病院で完結してほしいと言われたと。もともとコロナの感染を受け入れる病院でもないし、非常に困っていて1人でも2人でも転院させてもらえないかという窮状を訴えておられた。
それについて現状把握されているかと思うが、どういう認識をしているのかということと、これはその方の症状にもよると思うが、コロナ患者を受け入れない病院である以上、そこに留めておくのは、クラスターの火種を残しておくことにもなるので、やっぱり空間的に隔離をしないといけないのではないかと。そういうときに、例えば入院、待機施設とかへの移動ができないような方をどうするのかという問題もあるが、転院ができない現状に対して何か必要ではないかと思うがどうか。
○健康福祉部長(藪本訓弘)
本来受け入れるべき医療機関、本来受けるべきでない医療機関の定義は、もう少し私には理解できないが、いわゆる我々がコロナ患者の受入れを要請して、ある程度確保している病院が本来受ける医療機関と定義されるのであれば、実際問題、現在いろんな医療機関でコロナ患者が出て、それなりに病棟の中で感染対策をとった上で処置をしていただいている病院があるのは事実である。
そういった意味で、我々は確保を要請している医療機関以外でもしていることは事実であるが、本来ならばそういう本来という言葉が適切かどうか分からないが、現時点で案内のとおり、患者数がたくさん出て医療機関はかなり厳しい、兵庫県も厳しい状況になっている。その中で、今、病床の確保を新たにお願いしているし、医療機関の皆さんの協力でいろんなことをやっているので、そういう病床の確保、それ以外の病院の協力、宿泊療養とかを組み合わせながら、他の医療とのバランスも考える必要があるので、県民の皆さんに迷惑をかけない形で、医療体制については引き続き確保していきたいと今努力しているし、医療機関のほうでも尽力いただいているところである。
○(きだ 結委員)
はっきりした定義はないと言われたが、一応、その受入医療機関を今までちゃんと指定をして増やしてきたわけで、はっきり線引きはあると思う。今それがいっぱいになってきて、致し方なく本来の病院でないところで受け入れている現状があると思うので、いろんなやりくりという話もあったが、ちょっとこれは何とかしないといけないのではないかと思い質問した。こういうのが、議案の予算の中にいるのではないかという点で聞いた。

○(きだ 結委員)
もう一つ要望を言って意見表明する。私の地元の県立御影高校で今、先生10人に生徒3人のクラスターが学年横断ということで、7日から18日までの非常に長期間、閉校になっている。保護者の方から聞くと、お子さん自身は濃厚接触者でも何でもなかったが、学校から一応自宅待機と言われ、それから高校3年生で受験生であるが、塾からは来るなと言われ、また別の保護者の方は娘や息子が学校休校ということで、仕事もちょっと休んでほしいと言われるなど、非常に大きな影響が出ている。
先ほども安心のための検査ではないと言われていたが、やっぱり生徒とか保護者からすると、もちろん自分は濃厚接触者でなくてもかかってるかもしれないという不安もあるし、やっぱり検査をしてほしい。学校からもできたら全校してほしいと言われていた。
報道では、学校運営ができなくなったからとされていたところもあったが、実際には学校の中でどれくらい、特に生徒の中でどれくらい広がってるか分からないから、学校休校という判断になったと言われていたので、全校生徒にやっぱりその時点での安心、精神的にも非常にめいっていることもあるので、そういう要望も聞いて私も当然だと思うので、要望しておきたいと思う。もし何かコメントがあればお願いする。
○健康福祉部長(藪本訓弘)
その案件については、神戸市の保健所の所管で詳細は分からないが、基本的に先ほど言った医療と福祉施設、併せて学校についても、我々の基本的な考え方とすれば、陽性者が出て、そこで例えば、感染拡大が懸念される、大きなクラスターの心配がされる場合は、濃厚接触者でなくても幅広く関係者を検査しようということで、政令中核市とも情報共有しながら進めているので、それは必要に応じて神戸市の保健所が判断されると考えている。県の場合であれば、おそらく幅広くやるのではないかと考えるが、どこで線を引くかは調査の状況を承知していないので、確かなコメントはできない。
○(きだ 結委員)
一斉検査の方針はないとのことであるが、そういう不安を持っており、地域からも問い合わせがひっきりなしにあると言われていたので、またぜひ県としての方針でやってほしいと要望で申し上げておく。
それから、今回出されている議案のうち第115号議案、国民健康保険事業の運営に関する条例の一部を改正する条例について、反対をして理由を述べる。この条例改定は国民健康保険の保険料水準の統一を進めるため、県が市町から徴収する国民健康保険事業費納付金の算定において、これまで年齢構成調整後の医療費指数を乗じて納付金を算出してきたが、今後、医療費指数の多寡を反映させないように変更するものである。
2018年4月にスタートした国保の都道府県化に対して、国保財政をこれまでの市町から都道府県に集約して納付金標準保険料率国保運営方針保険者努力支援制度などを導入して、医療費抑制や保険料抑制するための市町独自の公費繰入、法定外繰入の解消を求めて、結果、今でも高過ぎる国保料を引き下げるという方向どころか国保料引き上げにつながる、医療費の給付が増えれば国保料にはね上がってくるという仕組みになるということで、私たちは、国保の都道府県化に対して反対をしてきた。
今回、納付金算定には医療指数を反映させないという改定は、将来的な同一所得、同一保険料の実現に向けての対応であり、現在、医療費水準の低いところは、納付金の引き上げが見込まれるので、今は県の2号繰入金で医療費適正化等へのインセンティブ制度を設けるとしているが時限的な措置であって、全体として医療費抑制と統一に向かって保険料を引き上げるルールを敷くもので、私たちは容認できない。
持続可能な国保制度にするためには、協会健保や組合健保と比べても高過ぎる国保料を引き下げるために、国に対してせめて1兆円程度の公費負担の増額を求めて、協会健保並みに引き下げること、子供の均等割減免など、県独自の減免制度などをつくって負担軽減を図ることなどを提案しているが、そのことを申し添えて意見表明とする。

 

○(2 請 願 審 査)
(今期定例会で付託されたもの)
第28号  精神保健医療福祉の改善を求める意見書提出の件
第29号  精神保健医療福祉の改善を求める件
第30号  コロナ禍における福祉職場に関する件

以上3件を一括議題とし、審査の参考とするため、いのち対策室長及び福祉政策参事の意見並びに現状報告を聴取した後、質疑並びに意見の開陳を行った。

○(きだ 結委員)
日本共産党の態度と意見を表明する。
まず、請願第28号、29号について、二本共通することが多いので意見を表明する。この問題は、精神保健医療福祉の改善を求める意見書提出の件であるが、神戸市西区の神出病院で入院患者に対する虐待・暴力が起きたことで、看護師6名が逮捕されるという重大な事件を踏まえて出されたものである。本人と家族の気持ちを考えると本当に胸が締めつけられるような事件であった。
これを受けて厚生労働省が2020年4月に実施した調査では、請願の要旨にもあるように、精神科病院にこの5年間に看護師等による虐待が疑われる事例は全国で少なくとも72件あるとの結果が出たことで、今回のこの神出病院1病院、固有の問題ではなく、やはり行政機関を含む権利擁護システムの機能が働いていないのではないかと私も思う。精神科医療のあり方について今一度精査すべきとも考える。
請願項目の1以下、第28号の1から6について、まず1の精神科病院の実態調査とその対策を協議するために、家族や当事者も含めた第三者人権機関設置、これはぜひとも必要だと思う。
2の障害者虐待防止法に通報義務が今病院にはないということで、今回の事態も踏まえて、やはり閉鎖的でありがちな病院であるから、しっかり通報義務を病院にも追加するということは必要だと考える。
3の精神医療審査会は、今は法律化や精神保健指定医とか有識者のみということで、精神障害者の家族や当事者の方が入っていないことは、やはり、当事者たちの声が反映されないことであるので、これはぜひ委員として加えるように賛同する。
4についても精神科医療機関が早期回復、社会復帰に向けた良質な医療が提供できるように、今、急性期の精神障害者については短期集中治療を行うことで医師、看護師、精神保健福祉士といった専門職から成るチームで対処するわけであるが、症状の安定後になるべく早く社会復帰できるように、長く入院治療をされている方も地域に向けてできるように日常生活指導や精神科作業療法など、やはりそういった人材の配置が必要と考える。
5について今、治療方針の意思決定支援の充実ということで、以前のように医師が治療方針を決めてそれを伝えるのではなくて、今、医師と患者はお互い対等なパートナーという考えで医師が患者の治療方針を押しつけるのでなくて、互いに考え合って、お互い責任を持って進んでいくという考え方が、ここに書かれている共同意思決定ということである。
やはりこういった患者により目指すリカバリーの姿が違うから医師との間で共有して、互いに理解する必要があるといったことに向けてリカバリーで重視されるプロセスをしっかりお互い考えていくということで、このSDMを取り入れることが必要だと考える。
そして、6の入院中心の政策から地域で生活することを中心とした政策への転換を進める移行期において、今ここにも書かれているように、やはり、ゆとりを持って働けるだけの人員配置が必要だと思うし、そして教育研修もしっかり受けられる環境づくりということで、6についても賛同する。28号について採択を主張する。
29号については、2と3は共通しているので、1について、家族や理解者と入院中の本人との面会をやっぱり保障するというのは、先ほども出ていたが非常に閉鎖的になりがちな病院と外部との連絡をしっかり保つという点と、やはり例えば認知症の患者などで、長期間家族と会えないことで症状や認知機能が悪化するということが今、実際に起きているので、そういう点でも、感染対策をしっかりして、対面で面会できるような支援が必要だと考える。29号についても採択を主張する。
請願第30号、コロナ禍における福祉職場に関する件についてである。請願要旨にあるように、今回の新型コロナ禍は、福祉職場でのこれまでの課題を改めて浮き彫りにした。例えば保育所における保育士の配置基準はフランスでは保育士1人につき3歳以上の子供15人であるのに対し、日本では保育士1人につき4、5歳児30人と、フランスの半分の職員配置である。また保育所の施設基準、子供1人当たりの面積基準はフランスでは3歳以上の子供1人当たり5.5平米であるのに対し、日本では2歳以上の子供1人当たり1.98平米と半分以下である。先進国で最も低い職員配置基準と、狭く貧しい施設基準がこれまでも課題であり、安全安心な保育のために、基準の引き上げ、改善が保育職員、保護者などから繰り返し求められてきた。
今般、コロナ禍の下、室内の消毒に追われストレスを受けている子供たちへの目配りなどが十分にできないこと、また狭い保育室では3密が避けられないこと、遊ぶ・食べる・寝るを同じ保育室で行わなければならないことなど、保育士の配置基準が低い現基準では、コロナ禍の中で非常に不十分、安心安全の保育ができない、感染対策の点でも問題ということが今浮き彫りになっている。介護、福祉施設、学童保育についても同様のことが言え、職員配置基準、施設基準を引き上げることは急務だと考える。そのためのガイドラインを県が策定して市町に示し、実効性を持たすために、施設整備、職員配置のための独自の助成を行うことが必要と考える。
また、コロナの市中感染が広がる中、接触が避けられない介護施設、保育所、学童保育所、障害者施設等これら福祉職場では、現在、自分が感染しているかもしれない、入所者や利用者である高齢者や障害者の方や子供に感染させるかもしれない、自分がもとでクラスターを発生させてはいけないという非常に緊張状態の中で長期間仕事をしておられる。そのストレスは大変なものである。少なくとも今感染している可能性は極めて低いと分かって安心して仕事をしたい。そのためにPCR検査をしてほしいという要求は当然で、無症状で感染力のある人がいるかどうかを見つけて感染が広がるのを未然に防ぐという防疫の観点からも、福祉職場におけるスクリーニング、社会的検査は必要なことだと強く思う。
さらに、国は介護施設、障害者施設については、そこで働く職員に対し慰労金を支給しているが、今、慰労金の対象となっていない保育、学童保育でも同じように新型コロナの感染リスクを感じながら、感染対策に最大限留意し、その責務を果たすことが求められていることから、慰労金の支給の対象にすべきだと考えるし、それについて県が独自に予算を付けるべきだと思う。他府県で例えば、群馬県の桐生市や伊勢崎市、渋川市、沼田市、県内でも三田市や高砂市が独自で保育所職員などについて、慰労金を補正予算措置したということも聞いているので、ぜひ対応してもらいたいと思う。
よって、本請願が求める介護施設、保育学童保育施設、障害福祉施設などの職員に対するPCR検査を公費で受けられるようにすること、また、安心し、ゆとりを持って授業ができるように設置運営基準を改善すること、そのためのガイドラインを県が策定し、市町に示すこと、それに係る助成をすること、さらに、保育、学童保育関係者も含めて福祉職員に対し、慰労として一時金を支給すること、加えてそれに所得税がかからないように配慮をすること、などに対して賛同して、請願第30号の採択を強く主張する。

○(審査結果)
以上で質疑並びに意見の開陳を打ち切り、第30号の取扱について諮ったところ、可否同数のため、委員会条例第12条の規定に基づき委員長が裁決することとなり、継続審査しないことに決した後、質疑並びに意見の開陳を終局し、直ちに表決の結果、賛成少数で不採択とすべきものと決した。
次に、第28号及び第29号について、質疑並びに意見の開陳を終局し、直ちに表決の結果、賛成全員により採択することに決した。
続いて、採択すべきものと決した第28号に係る意見書については、正副委員長において、請願の趣旨に沿った文案を作成し、その発議について諮ったところ、全委員一致により、本委員会として意見書案を発議することに決した。
続いて、採択すべきものと決した第29号の取扱については、当局へ送付すべきものと決した。


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