健康福祉常任委員会
2022年12月16日
○(保健医療部関係)
○(1 閉会中の継続調査事件)
「感染症等対策の推進について」を議題とし、「感染症対策の推進」、「ワクチン対策の推進」及び「がん等の疾病対策の推進」について、感染症対策課長、ワクチン対策課長及び疾病対策課長の説明を聴取した後、意見の交換を行った。
○(きだ 結委員)
コロナ対策について伺いたい。2020年から始まって、3年弱、不眠不休で保健所の方々も奮闘していただいている。今の現状、兵庫県について気になるのは、死亡者が多いことである。厚労省の出している中で、人口100万人当たりの死亡者数というのを相対数として入れているが、大阪府それから北海道、沖縄県に次いで兵庫県が多いとのことで、一時はワースト2位に付くということもあった。これだけ頑張っていただいているのに、なぜここまで死亡者が多いのか。例えば、入院をして、手を尽くしても亡くなっている方が多いのか、あるいは自宅で亡くなられている方が多いのか。対策の考え方にも関わってくるので、この辺りの分析を伺いたい。
○感染症対策課長(西下重樹)
委員のご指摘の人口当たりの死亡者数であるが、恐らく第1波からの死亡者数を累計した数である。確かに非常に多い状況であり、大部分が医療機関で亡くなられている。一部福祉施設や自宅で亡くなる方もいるが、個々の背景がある。例えば自宅や福祉施設、看取りや、あるいはその死亡者そのものは、コロナが原因であるか否かにかかわらず、コロナの観察期間中に死亡したもの全てを報告せよということで、私どもはそれに真摯に対応した数値報告をしている。今後、このコロナの死亡者数についても全国的な評価も必要かと考えている。国においても、2類、5類の議論の中で、死亡率等々の評価もあるので、それらも踏まえて、検討を考えている。
○(きだ 結委員)
一部、自宅や福祉施設で亡くなったのであれば、今までの累計を数として出していただきたい。個々の自宅で亡くなられた方も知っているし、自宅で急変し搬送途中で亡くなったりということもある。改めてどういう内訳で、どこで亡くなられたのかについて、今後の対応にも関わってくるので、ぜひ教えていただきたい。いかがか。
○感染症対策課長(西下重樹)
各患者の死亡場所等については、個人情報保護の観点からも、個人の同意が必要であるので、公表できていないところである。また、死亡場所等については、蔓延防止に寄与しないと考えられるので、現在のところは非公表としている。それらを集計したデータの取扱についても慎重にならざるを得ないという状況である。死亡場所、死亡者数については、令和4年3月の予算特別委員会で、きだ委員からも、高齢者施設における死亡者に関する資料の要求があったが、3月9日に予算特別委員会の理事会が開催されて、先ほどの県の考え方も含めてご議論いただいたところ、資料は請求しないように取り扱うという決定であった。あるいはこの10月に、決算特別委員会にねりき委員からも、死亡場所の状況をお伺いしたが、答弁としては、同様の状況を申し上げているところである。ただ、国のほうにおいて、自宅での死亡者数について都道府県に報告を求めている。それが随時、臨時的にやられていて、これが令和4年7月1日から8月31日までの間に自宅で死亡された方ということでは、全国で776名いらっしゃる。この中で、各都道府県の報告の積上げであるので、これについては、兵庫県は三十数名ということで、率にすると全国の4、77%程度である。これが多いのか、少ないのかは、令和4年7月から8月の感染状況等によるかと思うが、少なくともこの三十数名の死亡の背景というのは、一人ひとりが異なる。その中で、もちろん看取りを希望された方もおられるし、死亡後の検査で判明した方もおられる。また、看取りを希望したが、入院をしたほうがいいのかどうなのかという選択にご家族は非常に悩まれている。そんな中で、夜は元気であったのに、朝気が付いたら死亡されていたり、医療機関で軽症であると診断を受けて帰ってきたが、翌朝に亡くなっておられたというところで、ご家族としては非常に心を痛めている。なのでこの数値の取扱については、三十数通りの個人一人ひとりの背景があるということで、十把一からげに、入院が行き届かなくて死亡したというような、数字が独り歩きするということを我々も懸念しているので、先ほど申し上げた三十数名の数字の取扱については、注意をよろしくお願いする。
○(きだ 結委員)
もちろん個票というか、この方がどこで亡くなったとか、そんなことを求めているわけではない。例えば大阪府でも感染が爆発したときに、高齢者施設でどれぐらい亡くなったかというのは、コロナの感染の対策会議で出している。大阪府でいえば、その高齢者施設ではこれだけ亡くなったので、施設での入院をもう少し優先的にするだとか、そういう材料として出しているので、そういう意味で出していただきたいということも、改めて求めておく。
今も基本的な方針が、無症状者や軽症者は自宅での療養を基本とするということだが、今三十数名とおっしゃった中には施設で亡くなった方が入っていないし、大丈夫かなと思われた方が結局亡くなられたということがある。厚労省のコロナ診療の手引の中にも、これは中等症以上、これは呼吸器の症状だけで分類しているので、そうではなく、全身の状態を診る必要があるということもそこには書かれているので、呼吸器症状の状態だけで分類した中等症2以上は入院だとか、そういうのではなくて、私が身近に聞いている例では呼吸器症状でこの中等症のspo2が悪くなったというより、一気に全身の症状が悪くなって亡くなるという方もおられるので、これだけを基準にするのは危険だと思う。もっと現場のドクターの判断を尊重して、施設の中でも入院をさせて欲しいときにも、ドクターが言ったにもかかわらず、施設でっていう事例もたくさんあるというのも、前から申し上げているので、その辺は実態に応じて必要な医療を受けられるようにしてほしい。何かコメントがあればどうぞ。
○感染症対策課長(西下重樹)
入院の対象について、機械的に中等症2以上を入院させている現状はない。もちろん、様々な基礎疾患もあることから、特に高齢者については、いろいろな状況を踏まえて、その病状を伝えて入院を決定している。特に社会福祉施設においても、病状に応じて、医師が入院が必要と判断すれば、これは入院の調整になる。また、受入先の専門医が病状を聞いた上で、これは入院するほどではないというような判断もある。特に、福祉施設の嘱託医については、専門でないこともあることから、安全性をもって入院が必要という判断をすることも多々あろうかと思うが、そこは、CCC等を通じて、受入先の医療機関の医師の判断があってやっている。
○(きだ 結委員)
判断が尊重されないという実態もよく聞いているので、ぜひ現場の医師の判断を尊重していただきたいと思う。
それから、自宅療養者について、自宅療養者等への往診や訪問看護、また、調剤を行った医療機関等に対して協力金が支給されている。兵庫県は、条件として保健所からの受診勧奨のあったものに限るとなっている。ただ、例えば近隣の京都府とか大阪府では、そういうことは要件にしていない。例えば自宅で療養している方が、調子が悪いとかかりつけ医に電話して、保健所を通じる通じないにかかわらず、そういう時間がないという判断をしたときに、往診に行って、受診勧奨をしていないからと協力金の対象外になることも開業医からお聞きしている。京都府も一応保健所からの要請というのはあるが、事後報告でも構わないとなっている。大阪府では、ドクターの判断で、保健所の受診調整は関係ないということになっているので、自宅療養を余儀なくされている方に安心して生活していただく上で、こういった保健所の受診勧奨を要件とするのはやめたほうがいいと思うのだが、いかがか。
○医務課長(波多野武志)
往診の仕組みについて、制度上、受診勧奨は入れさせていただいている。現状は、かなり逼迫時には事後的に保健所が介入するというようなことも実態として認めている。逼迫する状況の中で全てを事前にということは難しいというところも重々承知している。やはり制度としてあくまで、保健所が一旦入るという仕組みだけは維持させていただきたい。
○(きだ 結委員)
そもそも、なぜ保健所の調整が必ず要るとなったのか。今、逼迫していたら事後でも認めている場合もあるとの答弁で、ぜひ、そうしていただきたいと思うが、他府県ではそういうことを要件にしていないのでやっぱりもう少し広く見るべきだと思う。
○医務課長(波多野武志)
保健所のほうで、コロナ感染者の状況を把握している中で、基礎疾患のある方や発生届が出ている方は保健所のほうで把握しているので、それ以外のコロナの軽症の方がいきなり使われるということが当然、フリーで自由にどうぞというわけにはいかない。そこは一定の保健所のチェックを入れた上で、本当に往診などが必要だったのかどうかは、事後的であれ必要だと考えている。
○(きだ 結委員)
自主的には事後でも、逼迫状況では認めているということで、ぜひ柔軟に認めて欲しいと思うし、今も発生届が限定化されている。例えば昨日の状況でも、フォローアップセンターに登録するような状況なので668人が届出外である。保健所がどんな人かも分かっていない人達も多くいるので、ぜひその要件を撤廃していただくことを改めて求めておく。
最後に、後遺症への対応について、後遺症の相談ダイヤルが設置されているが、私が聞いたのはやっぱり肺炎を起こした後になかなかその呼吸苦が治らないということで、在宅酸素を療養期間が終わった後も使う。例えば2割負担であると、月1万5,000円以上もかかり、ものすごく経済的な負担となる。国の診療方針も関わってくると思うが、前に言ったときはこれもぜひ研究したいという答弁をいただいているので、そういった療養期間が終わったが、後遺症による経済的な負担が発生するということについて、実態を掴んでいただいていることとか、あとやっぱり国に要望していただきたいということも踏まえて、その辺はどうなっているのか。
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