2013年度予算特別委員会
2013年03月15日
日本共産党県会議員団のきだ結でございます。
それでは、日本共産党の予算組み替え案について、提案説明を行います。
私たちは、これまで、こどもの医療費助成の拡充や少人数学級の実現、問題のある公共事業の中止など、議会質問とともに、県民と要求実現の運動にも取り組み、実現に道をひらく努力をしてまいりました。
現在、各地の中学校給食を実現させる取り組みや、県立こども病院の人工島移転を撤回し、周産期医療を充実させる取り組み、さらに借上げ復興公営住宅の継続入居を求める取り組みなどを、住民とともに、すすめています。
今回は、そういった流れのなかで、兵庫県の予算を、県民の雇用と暮らし、福祉の充実をすすめるための具体的で建設的な予算修正として提案をいたします。積極的なご議論を、お願いいたします。
組み替え案の規模
まず、組み替え案の全体の規模についてです。
一般会計を中心に、不要・不急、見直しが必要な事業、県民にとって問題のある事業を、101項目、合計552億円減らし、ねん出された一般財源・87億円と、宝くじ益金や基金約4.5億円を、福祉・医療、教育、中小企業向けの予算などに重点配分をいたします。また県債の発行額を抑制し、新たな借金を316億円減らしました。
くらし・福祉、教育の充実を
次に、主な内容についてです。
第1に、県民のくらし優先の県政の実現にむけた、予算修正についてです。
まず、子育て、教育への支援を強める組み替えです。
子どもの医療費を、通院・入院とも所得制限なしで中学校卒業まで無料化するため、52億円の予算を増額し、35人学級を小学校5年生で実施するため、7億円の予算を増額しています。私学のための予算、学校の補助・生徒の授業料軽減や経常費補助の予算を増やしています。
こどもの医療費を通院・入院とも所得制限なしで中学校卒業まで無料化している群馬県では、当初無料化すれば、休日・夜間診療が増えるのではないかとの心配があったそうですが、実際に始まってみれば平日の診療時間内にお金の心配なく行けることで、休日・夜間診療の受診者はむしろ減ったという効果があったそうです。
またいじめ、体罰など、大きな課題のある学校現場に、教育環境の整備、改善こそが求められています。
学校給食で、ごはん給食をすすめるための事業を復活し、子どもたちを一人の人間として尊重する「子どもの権利条約」を、徹底するための予算を増やしています。
「県行革プラン」によって削減された、県民サービスの回復や充実では、重度障害者(児)医療費助成や母子父子家庭医療給付事業の削減をやめ、小規模作業所の通所援護事業や学童保育の開設日日数加算なども回復させ、さらに県立病院への就職に限らない看護師養成の奨学金を復活させる内容となっています。
高すぎる国民健康保険料、保険税の軽減や、後期高齢者医療制度の負担軽減などの予算も、計上しています。
特に、県立こども病院の人工島(ポートアイランド2期)への移転費用、33億9100万円については、これまで一般会計を中心に組み替えを行ってきましたが、県民からの根強い異論の声を反映するため、また移転を撤回させるため、病院会計のなかで、予算を削除しています。
この問題では、県民はじめ、特に患者団体から出されている不安、異論の声を尊重しなければといけないと考えます。
結成して48年になる全国心臓病の子どもを守る会兵庫支部の皆さんは、家族の学習会、交流会、ファミリーハウスを作る活動など、県病院局、そしてまさにこども病院とともに歩んでこられた患者会のみなさんです。「阪神・淡路大震災時、神戸中央市民病院にかかっていた会の人たちが、病院に行くことができず、特殊な心臓病、特に小さい子どもの薬はどこでももらえるものではなく、非常に困ったという体験から、一番の心配は災害時に病院に行けなくなること」とおっしゃっています。「県からはアクセスが途絶えたらヘリコプターを出すと言われますが、ヘリコプターに一体何人が乗ることができ、そもそも薬を取りに行くためにヘリコプターを出してもらえるのか、と疑問の声が寄せられています。
また、血友病の患者会、兵庫ヘモフィリア友の会の皆さんも血友病の特殊性から病院、医師が限られ、住居を移して治療を受けている患者も存在する中で、患者、地域住民の声を聞かず、進めていることに対し、「病気を持つ人達の苦しみや、悩みを理解する血の通った事業ではないように感じる」と異議を申し立てておられます。
防災面からも、県下の小児救急、周産期医療の充実の点からも、大きな問題があり、一般会計からの地域医療再生臨時特例交付金1億4300万円を含めて、全額を削除しています。
また、県教育委員会がすすめる「高校教育改革」で、16学区から5学区へと通学区域を拡大する方針をいったん白紙にもどし、生徒、保護者、地域住民、学校現場などの意見を十分に聞き、現行の制度の改善に取り組む必要があることから、関連の予算を減らしています。
地震への備え
第2に、災害への備え、減災対策についてです。
民間住宅への耐震改修促進事業や、社会福祉施設の中でも対策が遅れている保育所の耐震化のための予算を計上しています。
自然再生エネルギー、地球温暖化防止
第3に、自然再生エネルギーの普及・促進のための事業についてです。
今年度で打ち切られる県の住宅用太陽光発電設備への設置補助制度の復活を盛り込み、兵庫県の自然エネルギーのポテンシャル・可能性を地域ごとに明らかにし、県下の市町とともに、促進させていくための調査費を計上します。
「大企業よびこみ」からの脱却を
第4に、「大企業よびこみ」式の産業政策から脱却し、パナソニック等への企業立地補助金を中止するため、約16億円を減らします。
来年度、兵庫県は、新たに進出する企業への減税なども打ち出しましたが、大手企業中心で、従来からの延長線です。
私たちの提案では、全国で効果をあげ、兵庫県でも広がっている民間住宅リフォーム助成制度を創設する予算を計上しています。兵庫県産の木材の普及や、わが家の耐震改修促進事業や住宅バリアフリー改修のために予算も含めて、地域経済の活性化させることに、大いに効果を発揮できるものです。
不要不急の公共事業の見直しを
第5に、公共事業や問題のある事業の見直しについてです。
但馬空港や、神戸空港、関西国際空港への補助・出資など8.8億円、利水や河川改修との比較も検討が不十分で、環境面でも問題のあるダム事業58億円、六甲山系グリーンベルト整備事業29億円を削減。高規格道路の調査費を含めた道路関連や大規模林道なども見直し、削減しています。
また、国直轄の事業については、国が全額負担すべきものであることから、102億円を全額削除しました。
隣保館など不公正な同和行政が残っている事業、4.8億円や、住民基本台帳ネットワーク関連事業、関西広域連合分担金なども減らしました。
県会議員の海外視察についても、日程や人数を限定するなど簡素化をはかり、5割カットし、750万円としました。
以上が予算組み替え提案の主な内容です。
県民は暮らしの安心と県民の切実な願いにこたえる県予算の実現を求め、ています。委員各位のご賛同を心からお願いいたしまして、日本共産党県会議員団の提案説明を終わります。
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