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健康福祉常任委員会

12月12日…請願審査(こども病院ポーアイ移転撤回、年金削減法廃止、子ども子育て関連法、妊婦健診・ワクチンに公費助成等)

2012年12月12日

(病院局関係)
1 請 願 審 査
 (今期定例会で付託されたもの)
   第53号  南海トラフ巨大地震への防災対策として県立こども病院のポーアイ移転計画の撤回を
         求める件
 を議題とし、審査の参考とするため、企画課長の意見並びに現状報告を聴取した後、質疑並びに意見の開陳を行った。

(きだ 結委員)
 請願第53号について、まず質疑を行う。請願では、防災対策から見れば、移転計画時の想定は不十分ではないかと指摘されているが、アクセスの確保については、港島トンネルが造られたり、神戸大橋の耐震化されているという説明があった。しかし、県が出している津波や震災のリスクの中でも港島トンネルの取り付け部が津波高の2倍想定で冠水する可能性があることを認めており、8月29日の内閣府が発表した有識者会議でもそこは浸水するとなっている。また、神戸大橋が耐震化されていると言うが、今資料請求をしており、まだ回答がないが、どの程度のマグニチュードまでの耐震化がされているのか。また、専門家から指摘されているのは、橋脚が耐震化されていても取り付け部分の三宮もポートアイランドの北側沿岸部も以前に液状化をしているので、取り付け部が側方流動によってずれる可能性があると言われている。そのような可能性も想定して安全であると言っているのかどうか、まず聞く。

企画課長(齊藤芳樹)
 ポートアイランドの浸水予測については、確かに8月29日に国から想定が発表されたが、非常に粗い結果になっており、先ほども説明したように、これを踏まえて県独自にいろいろと細かいデータを持っているので、それを反映したもので再度シミュレーションをしている。私どもとしては、そのような詳細な結果を踏まえた上で、再度、ご心配のようなことが起こらないように神戸市とも協議をしながら、対策を立てていきたいと考えている。神戸大橋については、耐震化されており、当然南海トラフの大地震や阪神・淡路大震災のような直下型地震が起こった際にも対応でき、揺れとしては震度7くらいには当然対応できるようになっていると考えている。先ほど申し上げたように、今できること、それから今後の想定結果を踏まえ、さらに強化して十分に対策を講じていきたいと考えている。

(きだ 結委員)
 神戸大橋の耐震化は分かるが、液状化によって取り付け部が側方流動により移動するのではないかと言われている。その点についても検討すべきであり、安全と言うならばその根拠を出すべきではないかと思う。また、Ⅱ期は十分な地盤高があるから最大級の津波が来ても大丈夫だという説明を繰り返し受けるが、Ⅱ期は十分な地盤高があるとしても、県が出したデータでも8月29日の有識者会議が出したデータでも、ポーアイⅠ期北側の西北部は護岸が損傷しなくても、浸水する地域に入っている。これを踏まえて、専門家の間からは西北部から入ってきた津波が引き波としてⅡ期を通過すると予測している。Ⅱ期は地盤高があるとしても、Ⅰ期西北部から進入してきた津波の影響も考えなければいけないのではないかと思うが、そのような想定は考えていないのか。

企画課長(齊藤芳樹)
 国の想定を見ると、ポーアイⅠ期の北西部に若干、恐らく1m以内、数10cmと図形上は読み取れる。ただ、その前提となっている地盤高のデータは、例えばポートアイランド西側には大学関係が並んでおり、そこは当然大学の整備に当たって1m程度盛り土をして嵩上げをしているが、そのようなデータが反映されていないことなどがあるので、きちんと現状に合わせた推測、想定をしたいと防災局で取り組んでいる。それも踏まえてきっちり対策は立てていきたい。

(きだ 結委員)
 数10cmの浸水であっても、車は動かなくなる。そのあたりについては、きちんとシミュレーションしないといけないと思う。また、液状化対策をするということだが、東日本大震災では、3分くらいの揺れがあり、長周期の長時間にわたる揺れが液状化を起こしやすくすることが一つ教訓となっていると聞いた。Ⅰ期は大規模な液状化を起こした訳だが、南海トラフの最大級の地震が起きたときに、あの辺りは震度6強と言われている。震度5以上になると必ず液状化を起こすと言われており、阪神・淡路大震災の時に全面的ではないが噴砂を起こしている。今までに受けたことがない長い周期の地震動により、Ⅱ期でも大丈夫とは言えないと思う。阪神・淡路大震災と違う揺れが来ることや、Ⅰ期が液状化するとアクセスも途絶えることも考えなければならない。さらに、ライフラインは当然Ⅰ期を通じてⅡ期まで延伸されているので、阪神・淡路大震災の時のようにⅠ期で地盤が液状化を起こし、管が外れたりすると水道やガスがストップしてしまうが、ライフラインの対処はどのように考えているのか。

企画課長(齊藤芳樹)
 長周期の地震が起きた際に液状化がどうなるかについては、東日本大震災でも起こったようであるが、先ほど申し上げたように、地盤改良をしたいと考えている。それで大丈夫なのかという話であるが、少なくとも東京湾で地盤改良がされた箇所については、東日本大震災の後も液状化は起こらなかったと確認はしているので、地盤改良を行えば、いろんな地震に対応できるのではないかと考えている。ポーアイⅠ期も沿岸部では液状化が起こったが、居住地域である中央部では地盤改良がされている関係で起きなかったということであり、車の走行には大きな支障がなかったと考えているので、地盤改良を行うことでいろいろな地震に対応できるのではないかと考える。ライフラインについては、一つは神戸大橋を通ってきており、港島トンネルができたので、恐らく多重化ということでそちらにも敷設されているのではないか。供給業者にも確認をしなければならないので、確認に時間がかかっている。他に頼るだけではなくて、病院自身も少なくても3日間は病院だけで機能が維持できるように、ガス、電気、水も蓄えることにしている。復旧がもし間に合わないということであれば、必要な電源車や給水車などあらゆる手段により対応していきたいと考えている。

(きだ 結委員)
 東日本大震災では、結局、サンドドレーン工法などで液状化対策をしたところでも液状化しているところがあるそうである。今までに体験したことのない揺れがどのような影響を与えるのかは、想定外ではなくきちんと考えておかなければならない。また、ライフラインについては、阪神・淡路大震災からの復旧時に配管をプラスチックにするなど耐震性を高めていると聞くが、液状化に耐えられるよう地中壁の中に礫で固めて間隙水圧が高くならないようにしなければ、震度5以上の揺れが起きたときに液状化をして、結局ライフラインが途絶すると言われている。ライフラインの耐震性はきちんと確認をしているのか。

企画課長(齊藤芳樹)
 ライフラインの全てについて、私どもで全て大丈夫なように措置を講じていくことはなかなか難しいと思うので、神戸市や関係の供給業者と確認をしながら必要な対策はとっていただくようにお願いをしていきたいと考える。

(きだ 結委員)
 最後に県医療審議会地域医療対策部会で医師会も入っておおむね了承を得たと言うが、それが昨年の6月14日である。6月15日に県と医師会との定例の打ち合わせがあって、その時にもはっきりとこども病院は移転すべきではないということを言っているはずである。その反対を受けながら、次の日の6月16日に地域医療再生計画を申請している。とても医師会が入った場で同意したとは言えないと思う。それは、請願にあるように、厚労省も医師会を初め医療団体がこぞってポートアイランドに移転する計画は見直しが必要との見解になっている。その事実関係をきちんと認めなければならず、医師会も賛成している状況ではないと思う。

企画課長(齊藤芳樹)
 県医師会あるいは神戸市医師会からは、いろいろとご意見をいただいており、機会あるごとにいろいろご説明に上がっている。厚生労働省からも、そのような関係は望ましくないということで、丁寧に説明をしてくださいという指示はいただいているが、提出をしていた計画自体に瑕疵があるなどとの指示はいただいていないし、医師会の意見は伺うが、了解をとった上で出すという手続にはなっていないので、私どもとしては今後もこども病院移転の有効性をきっちり医師会等に説明をしてご理解をいただきたいと考える。

(きだ 結委員)
 いずれにしても防災上の懸念がある以上、医師会は反対をしているし、このまま推し進めると、県のいろいろな施策は医師会と連携しているものがたくさんあるので、支障になるのではないかと思う。
 態度表明であるが、これまで質疑をしてきたが、防災上とても安全とは言えない立地であると思う。そして兵庫県医師会を初め医療団体がこぞって反対しているような計画は見直しが必要と厚労省が表明していること、そして現地建て替えも不可能ではないとの専門家の意見があることから考えても、ポートアイランド移転ではなく、現地も含めてもっと安全な場所で建て替えるよう求める請願の趣旨には同意できることから、採択を強く主張する。

(審査結果)
 以上で質疑並びに意見の開陳を終局し、直ちに表決の結果、第53号については、賛成少数で不採択とすべきものと決した。

(健康福祉部関係)

(1 付託議案審査)
  第124号議案  社会福祉法人に関する事務の受託
  第135号議案  平成24年度兵庫県一般会計補正予算(第2号)中 第1表 歳出関係部分

 以上2件を一括議題とし、福祉法人課長及び健康福祉部総務課長の説明を聴取した後、質疑並びに意見の開陳を行った。

(きだ 結委員)
 第124号議案、社会福祉法人に関する事務の受託について、受託予定21市の受託料は幾らなのか。

福祉法人課長(隅田昇次)
 総額で約470万円を見込んでいる。

(きだ 結委員)
 私たちは以前から国の地域主権改革一括法に関連しては、例えば保育所の最低基準、高齢者・障害者施設の設置・管理運営基準といった福祉、教育分野においては、日本のどこに住んでも地域格差がない最低限守られるべき基準として、国が最低限の基準を維持すべきであり、ナショナルミニマムを保障した上で、地方自治体が本来担うべき住民の福祉の増進という役割を果たしていくという関係であるべきと主張してきた。その立場から自治体の財政規模や体制の有無によって、地域間格差を生む一律の権限移譲はすべきでないことを改めて申し上げておきたい。

(2 請 願 審 査)
 (継続審査中のもの)
  第24号  社会保険診療報酬に係る消費税非課税制度の是正を求める意見書提出の件
       (今期定例会で付託されたもの)
  第54号  年金削減法を廃止し、年金の2.5%削減中止を求める意見書提出の件
  第55号  教育予算を増額し豊かな障害児教育の実現を求める件
  第57号  「子ども・子育て関連法(新システム)」を実施しないことを求める意見書提出の件
  第58号  妊婦健診とヒブ・小児用肺炎球菌・子宮頸がん予防ワクチンへの2012年度と同水準の公費助成を求める意見書提出の件

 以上5件を一括議題とし、審査の参考とするため、健康福祉部参事兼医務課長、社会援護課長、障害者支援課長、児童課長及び疾病対策課長の意見並びに現状報告を聴取した後、質疑並びに意見の開陳を行った。

(きだ 結委員)
 日本共産党の態度を表明する。
 請願第54号については、日本の年金制度は歴代政権のもとでの改悪により支給額が年々減らされ、本来は老後の保障であるはずの年金だけではとても生活できないという不安と怒りが広がっている。そこに、物価スライドによる年金額引き下げが行われ、さらに今後2年間で2.5%の年金引き下げが、わずか5時間ほどの審議で国会で強行された。国民年金では満額の場合で年2万円、厚生年金では夫婦で月23万円の場合で年7万円も引き下げになる。老齢年金受給者の6割は年収150万円以下と言われており、相次ぐ社会保険料引き上げと増税で、年金の手取り額は既に大きく減っている状況である。請願が指摘するように2000年当時、消費者物価が下がった一方で、高齢者世帯の生活実態と経済への悪影響に配慮し据え置かれたことによる特例水準の解消については、物価の引き下げは高齢者にほとんど関係ない電化製品などであり、高齢者の生活に関する物価は下がっていないこと、介護保険料や後期高齢者医療保険料の値上げは考慮されていないことなど、物価スライドによる引き下げは何の道理もない。年金引き下げにより、消費と地域経済をさらに冷やすことから、2.5%削減を実施しないよう求める請願の願意は当然であり、本請願の採択を強く主張する。
 次に、請願第55号については、請願にある障害者の権利条約は、他の者との平等、すなわち、障害のない市民との平等性や公平性を繰り返し強調している。しかし、我が国では、障害のある人の就労は非常に困難で、所得水準が低く、多くが家族へ依存しなければ地域生活が成り立たないという状況で、障害のない人との大きな差が存在する。例えば、全国の小規模作業所などで作る団体きょうされんの調査では、就労支援関係の施設、事業所を利用する障害者1万人のうち、10代から40代前半までの約6割が親と同居しており、年収は100万円以下が56%、200万円以下が99%を占めるという結果になっている。県内でも、グループホームなどの生活の基盤整備は遅れ、作業所などいわゆる福祉的就労の場も限られ、一般就労も進まない状況にある。こうした状況をなくし、特別支援学校等を卒業した後、障害のある人が障害のない人と同等に生活できるよう、就労や生活の場所、就労支援体制の充実を求めている本請願の願意は当然と考える。よって、採択を強く主張する。
 次に、請願第57号については、子ども・子育て新システム関連法案は、国と自治体の保育に対する責任を放棄し、保育を営利化、産業化するものとして、広く保育団体や保育関係者、そして保護者らから、強い反対の声が上がり、本県議会でも児童福祉施策としての保育制度を維持することを求める意見書が提出されたところである。しかし、8月に国会で民主党、自民党、公明党の3党合意によって成立が強行された。反対の声に押され、一定の手直しされたものの、児童福祉法第24条に基づく市町村の保育の義務を後退させ、保護者と保育所の直接契約方式にして、保育料は所得に応じた負担から、保育時間の長さやサービスなどに応じた応益負担にするなど、保育を市場原理に委ねて、公的保育制度を解体する本質は変わっていない。保育の市場化、営利化は、保育をお金次第とするもので、子供のすこやかな育ちを保障することとは相入れない。さらに、新システムでは保育所の新建設の補助金が廃止されるなど、待機児童の解消に一層困難な状況が予想される。子供の成長・発達を保障するために、保育の質を確保し、充実した保育制度を求める立場から、子ども・子育て関連法新システムを実施しないよう求める願意は当然であり、本請願の採択を強く求める。
 次に、請願第58号については、請願が指摘するように、国の妊婦健康診査支援基金とヒブワクチン・小児用肺炎球菌ワクチン・子宮頸がんワクチン接種緊急促進臨時特例基金の2つの事業は、1年延長されたものの今年度で終了予定である。終了後は、昨年12月20日の4大臣合意に基づき、取り扱いが検討されるが、国の財源措置、公費助成については不透明である。妊婦健診は、基金の創設後、公費助成回数が平均5.5回から14回へと大幅に増加し、自己負担はまだ残るものの効果を上げたが、国の財源措置がなくなれば、財政力の乏しい自治体では公費助成回数がまた減少、後退することが心配される。また、ヒブワクチン等は定期接種化が見込まれており、そうなれば自治体の負担はさらに増えるのに、国の財政措置がなくなれば、自己負担の増額を求める自治体が出てくることも心配される。そうなれば、妊婦健診の未受診の増加や、ワクチン接種を受けられない子供の増加が起きかねない。命と健康に差別が起こらないよう、来年度以降も今年度と同水準の公費助成を求める願意は当然であり、本請願の採択を強く求める。
 最後に、継続審査中である請願第24号については、公的医療は医療費に対する消費税は非課税とされている一方で、医療機関が医療機器や薬品を購入したり、病院施設の増改築のときにかかる消費税は医療機関の自己負担となっている。先ほど、県当局から説明があったように、従来、国はこの損税に対して、その分診療報酬に上乗せして補てんしていると説明してきたが、社会保障と税の一体改革の議論の中で極めて不十分であることを認め、検証の場を設けるとされている。しかし、検証の方向は、高額の物品購入については直接的な手当てをするものの、それ以外は基準や区分を決めて診療報酬の中で対応するという従来の延長線上であって、損税を全額補てんするものではない。11月27日に神戸地裁で判決が言い渡された民間病院協会による提訴についての判決文を読んだが、厚労省が今まで診療報酬で補てんしていること、全額を補てんする義務を厚労省は負わないこと、ある程度の損税の負担は公平に広く税を負担するという意味では病院は受容しなければいけないという非常に冷たく、病院の経営を圧迫している実態を見ないものだと私は思った。民間病院協会だけではなく、今年の11月16日に兵庫県下公立病院開設者から出された県への要望書の中でも、医療機関に対する消費税制度の改善については、税制の抜本的改革を図ること、この方向によって解消されたいと要望書も出ている。診療報酬で補てんすることは、事実上患者に消費税の負担を求めることになるものであり、損税の発生が税制上の欠陥である以上、税制によって抜本的に解消されると思う。本請願が求める社会保険診療報酬に係る消費税非課税制度は、診療報酬点数で補てんするのでなく、仕入税額控除が可能な制度に改めること、そして、見直しに当たっては患者負担を増やさないこと、という請願趣旨には全く同感であり、採択することを強く主張する。

(審査結果)
 以上で、質疑並びに意見の開陳を打ち切り、第55号の取り扱いについて諮ったところ、賛成少数で継続審査しないことに決した。
 次に、第24号の取り扱いについて諮ったところ、なお慎重な審査を要するため、賛成多数で継続審査すべきものと決した。
 次に、第58号の取り扱いについて諮ったところ、なお慎重な審査を要するため、賛成全員で継続審査すべきものと決した。
 次に、第54号、第55号及び第57号の3件については、質疑並びに意見の開陳を終局し、直ちに表決の結果、賛成少数でいずれも不採択とすべきものと決した。


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