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受験生狙った痴漢加害防止へ対策実現

2022年03月02日

 日本共産党が発行する『議会と自治体』3月号に、この間の痴漢加害防止の取り組みを報告した私の文章が掲載されました。少し加筆修正してご紹介します。

 受験生狙った卑劣な痴漢加害防止へ対策実現
 党兵庫県議 きだ結

■痴漢加害あおるSNS
 神戸市東灘区の女性ノラさん(38)と同区選出の松本のり子、西ただす日本共産党神戸市議、私の4人が1月5日を皮切りに、電車の痴漢防止対策を鉄道事業者などに申し入れ、大きな反響のなかで対策が実現しました。これは党兵庫県議団、神戸市議団としての取り組みでもあります。

 きっかけは、総選挙を手伝ってくれたノラさんが大学入試共通テスト(今年は1月15、16日)の受験生に痴漢加害を煽るSNS投稿があることを教えてくれたことです。彼女自身、何度も痴漢被害に遭ったことがあり、「何とかしたい」と相談を受けました。私たちは「東灘から行動を起こそう」となって、ノラさんからは「当日、駅でパトロールしたらどうでしょう」と提案がありました、話し合った結果、「それとともに、乗客の安全確保の責任がある鉄道事業者に責任を果たしてもらうために申し入れよう」と決まり、ノラさんが発案した「神戸市東灘区 ジェンダー差別を勉強する会」として申し入れることにしました。

神戸新交通の担当者に要請書を手渡すノラさん(右)=1月5日

神戸新交通の担当者に要請書を手渡すノラさん(右)=1月5日


 
阪急電鉄本社に申し入れる、(左から)松本市議、きだ結、西市議。ノラさんも参加=1月5日

阪急電鉄本社に申し入れる、(左から)松本市議、きだ、西市議。ノラさんも参加=1月5日


■鉄道各社に申し入れると変化が
 4人が申し入れたのは、JR、阪急電鉄、阪神電鉄、ポートライナー・六甲ライナーを運営する神戸新交通(神戸市の外郭団体、第3セクター)、市営地下鉄・市バスを運営する神戸市交通局です。阪神への申し入れにはこむら潤参院兵庫選挙区候補も参加。共通テスト後には、山本じゅんじ、今井まさ子、林まさひと神戸市議が山陽電鉄に、朝倉えつ子神戸市議が神戸電鉄に申し入れました。

 ノラさんが党東京都議団の調査結果などを参考に申し入れ書を作成。痴漢加害を発生させないという観点を明確にし、▽痴漢の実態調査▽痴漢未然防止策を検討し行動計画を策定―などを各鉄道事業者に要請しました。

 とりわけ、遅刻できないため声を上げられない共通テスト受験生を狙う卑劣な痴漢を許さない対策を要請。その際、「痴漢は犯罪です」「警察官が乗車しています」といった電車内・駅構内アナウンスが有効と指摘しました。私は「共通テスト痴漢祭り」「共通痴漢 初日の成果報告」なる題名のネット掲示板を紹介し、「受験生への加害があおられている。特別の体制を」と求めました。

 相手の反応は、受け止めてくれた場合も否定的な場合もありさまざまでしたが、申し入れの結果、変化が起きました。

 阪神は申し入れの翌日、「迷惑行為や痴漢行為に遭われたとき、見かけたときは乗務員又は駅係員にお知らせを」とホームと構内で放送する、と直ちに回答してきました。「痴漢」の言葉を入れた放送は初めてだそうです。

 神戸市営地下鉄も「痴漢、盗撮は悪質な犯罪行為です。被害に遭われた方、見かけた方は110番または被害相談所に連絡を。痴漢、盗撮撲滅にご協力を」とホーム・構内で放送を始めました。
 実は申し入れの際、「女性の方はドア付近に立たないでください」と女性だけに〝自衛〟を求めるJRなどの痴漢対策の呼びかけを私たちが批判的に話題にしたところ、交通局側はそれすらも、「男性から〝ドア付近にいると痴漢と思われるからそんな言い方はやめてほしい〟と言われるので、それはできません」と否定しました。さらに「市バスでは痴漢はありません」とも。痴漢の問題をさっぱり理解しておらず、私たちの要望にも応じず、私は「地方自治体がこの程度の認識か。神戸市はこんな分野までダメなのか」と憤慨したものです。
 ところが兵庫県警から要請(後述)されると一転し、「痴漢は犯罪」としっかりした観点の放送を始めたのでした。

 JRも「痴漢、盗撮は悪質な犯罪行為です。被害に遭われた方、見かけた方は乗務員又は駅係員にお知らせを」と、神戸管内(尼崎―姫路間)で放送。こちらは電車内で、しかも肉声で放送しており、非常に効果的です。すぐ対応できる駅係員や乗務員に通報を呼びかけている点も重要です。

阪神電鉄本社に申し入れる、(左から)こむら参院候補、きだ、松本市議=1月11日

阪神電鉄本社に申し入れる、(左から)こむら参院候補、きだ、松本市議。ノラさんも参加=1月11日


■県議会でも取り上げて
 また私は1月6日の県議会各会派政務調査会で、共通テスト受験生を狙う痴漢について説明し、受験生を守れと兵庫県警に強く要求しました。車内・構内アナウンスが有効だと述べ、県警からも鉄道事業者に働きかけるよう求めました。

 翌日、県警は「議員の要請を受け、鉄道警察隊は車内に重点を置き、構内は各署に指示して人員を配置する」と回答。さらに受験シーズンの対策強化を、従来の3鉄道事業者から拡大して9事業者に要請したことが後にわかりました。アナウンスの雛形を鉄道事業者に渡しており、神戸市営地下鉄やJRのアナウンスはそれが元になっています。

 党県議団が県警に要求したことと、それを受けた県警の対応も、申し入れと合わせて対策を前に進める力になったと思います。県警の要請でアナウンスすることになったと市交通局幹部が松本市議に回答してきた際、その県警に対策を強く求めたのが共産党だと伝えると、「先生たち、すごいですね。動かしたんですね」と述べたといいます。

 こうして共通テストに間に合う形で、県内3つの鉄道で待望の痴漢防止アナウンスが実現したのでした。

 さらに1月20日から神戸新交通が運営するポートライナーと六甲ライナーが、神戸市営地下鉄と同じアナウンスをホーム・構内で始めました。
 こちらも当初は不十分な姿勢でした。神戸新交通への申し入れの際、ノラさんが痴漢件数を質問したところ、担当者は「自分が来てから2年位は痴漢の発生を聞いていない。警察には被害届が出ているかもしれないが」と回答し、ノラさんは「痴漢被害はなかなか言えるものではありません」と認識の不十分さを指摘しました。後日の回答書でも「不審者等に対する注意喚起の放送をしています」と、「痴漢」の言葉が入っていない放送で事足れりという立場でした。
 それがやはり、県警からの要請で変わりました。

■SNSで拡散され大きな話題に
 これらの取り組みは、私のツイッター投稿などを作家のアルテイシアさんが精力的に拡散してくださったことで全国的な大反響を呼びました。それが鉄道事業者や県警の対応を前向きに促進したのは間違いないでしょう。

 阪急などに申し入れたという私の最初の投稿(1月6日)はインプレッション(閲覧数)が99万、阪神がアナウンスすることになったという投稿(1月12日)は46万にのぼりました。アルテイシアさんの応援がなければとても到達しない数ですが、多くの女性にとって本当に深刻で切実な問題であることを示しています。

 さらに、私たちの取り組みを知った芸人でユーチューバーのせやろがいおじさんがノラさんと私を取材し、1月14日公開のユーチューブ動画で受験生を狙う痴漢の問題を取り上げ、私も紹介されました。

 メディアでは「しんぶん赤旗」がもちろん取り上げましたが、朝日新聞も1月25日付夕刊1面で「受験生 痴漢から守れ」と題した特集記事が載り、ノラさんの思いや私たちの取り組みが紹介されました。毎日新聞も取り上げ、1月14日付電子版の見出しの「痴漢祭り」がツイッターでトレンド入り。ほとんどの投稿が怒りの声でした。

 このなかで、「痴漢は犯罪です」「私たちは泣き寝入りしません」と書いた缶バッジを普及する「痴漢抑止活動センター」の代表と知り合い、連携を約束するなどつながりも広がりました。

 共通テスト当日、私たちは駅で受験生の見守りを行いました。

■全国に波及へ
 世論の高まりとともに私たちの行動と成果は全国に波及し、神奈川県、東京都などでも党議員団が当局や警察に申し入れ、共通テスト痴漢防止対策が実現。社民党会派が取り組んだ自治体もありました。共通テスト後も、党大阪府委員会が痴漢被害アンケートを始め、京都でもたけやま彩子参院選挙区候補らが市交通局、JR、京阪、近鉄、阪急などに申し入れるなど、さらに広がっています。

 党兵庫県議団は1月26日、あらためて受験シーズンの対策と恒久的な対策を県当局、県教委、県警に申し入れ、県警の担当者は「要請に応じ、日常的な対策も講じたい」と答えました。

 今回、貴重な成果が生まれましたが、それは、1988年の地下鉄御堂筋事件(痴漢を注意した女性が拉致されレイプされる)をきっかけに生まれた「性暴力を許さない女の会」の方々の活動、2019年から2020年にかけてのセンター試験痴漢防止パトロールの取り組み、昨年の日本若者協議会の大学生・高校生による署名運動等々、大分以前から「性暴力は許さない」「痴漢は許さない」「受験生を守ろう」と声を上げ、或いは行動してきた多くの市民の人たちの努力と結びついていると言えます。

 同時に、自治体や警察、鉄道事業者の痴漢対策は緒に付いたばかり。痴漢防止アナウンスは受験シーズンが終わる3月までです。
 対策の前進へ、本格的に政治を動かさなくてはいけません。
 日本共産党の東京都議団が先駆的に痴漢被害調査を行い、昨年の都議会で複数回取り上げ、小池晃書記局長は昨年10月に国会で初めて痴漢を取り上げ、岸田首相が実態調査を約束するなど、政治の課題としての取り組みが進みつつあります。

 「痴漢ゼロ」へ、これからが本番です。私もいっそう頑張りたいと思います。

JR摂津本山駅で受験生見守りに立った、(左から)松本市議、駆けつけたアルテイシアさん、きだ。西市議、ノラさんらも見守り。鉄道警察隊も構内で警備=1月15日

JR摂津本山駅で受験生見守りに立った、(左から)松本市議、駆けつけてくれたアルテイシアさん、きだ。西市議、ノラさんらも見守り。鉄道警察隊も構内で警備=1月15日


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