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兵庫県政の現状

2022年04月17日

 6日の憲法が輝く兵庫県政をつくる会(憲法県政の会)総会で、兵庫県政の現状について発言しました。その内容を少し加筆修正して以下紹介します。県政についての私なりのまとめです。

 昨年8月1日に斎藤元彦知事による県政がスタートし、3月末に2022年度県予算が成立しました。
憲法県政の会が県知事選以来指摘してきた通り、斉藤県政は自民党県政であり、「刷新」と言いながら実態は前の井戸県政を継承し、さらに悪い方向に進めていると実感しています。

●今回成立した県予算の特徴を少し述べます。
 予算は、福祉・暮らしの施策を削減してきた井戸県政の「行革」の延長と言える「県政改革方針」をすすめて、障害者小規模作業所援護事業、100歳高齢者祝福事業、老人クラブ活動強化推進事業、県民交流バスの廃止・見直しなど福祉・県民サービスを削減する一方、これまで通りの大阪湾岸道路西進部、名神湾岸道路連絡線、播磨臨海地域道路など不要不急の高速道路建設事業をすすめ、全国でも珍しい上限のない大企業誘致補助金など大企業優遇も続けるものです。急性期含めた病床削減など自公政権追随も顕著です。
 超高級ホテルを誘致し併設する、井戸県政時代の県庁舎再整備計画は「凍結」するとしましたが、新たに民間投資を呼び込むために三宮開発と連動させる元町全体のグランドデザインの検討を早期に行い、県庁舎再整備もその中で検討するとして、その予算が計上されました。よりいっそう大規模に開発するという方向です。
 神戸市長選で大きな問題になった三宮巨大開発への県の補助は井戸県政時代に総額146億円とされていて、今回の当初予算にはそのうち15億円が計上されています。
 脱炭素化と言いながら、温暖化対策にならない水素エネルギーの普及に向けて、姫路への「カーボンニュートラルポート」建設費3,000万円を計上しています。

●またこの間のコロナ対策を見ると、全く自公政権の方針通りです。例えば、兵庫県では12月20日ごろから第6波に入ったと言われますが、他の都道府県が先んじて無症状者への無料のPCR検査を決断していた時期に、兵庫県は当初の国の方針にこだわり「オミクロン株の感染例が確認されるまで、無料PCR検査を開始しない」と12月29日まで先延ばしにしました。その間に感染が増えていたことは間違いありません。
 さらに第6波では、大阪府に次いでコロナ感染者の死者が多くなりました。高齢者の命を軽視して、大阪府と同じく高齢者施設の感染者を施設に留め置き、必要な医療を受けさせなかったことが、死者数を押し上げた大きな要因だと考えられること、それに加えて検査、保健所体制、入院体制の抜本的な拡充がなされなかったことは、県政の大きな問題です。

 加えて、県は3月17日に、県内の全日制県立高校125校を110校に減らす高校統廃合計画も出してきました。重大なことです。

●同時にこの間、斎藤県政の独自色を出そうとして矛盾が生まれました。
 兵庫県の行財政運営方針見直し案=「県政改革方針」案について、暮れも押し迫った12月24日に市町向けの説明会が行われましたが、41市町の首長らからは、新年度予算編成が大詰めを迎えたこの時期に示された事業見直しに対する反発が相次ぎました。
 市町の判断でさまざまな施策に使える「ひょうご地域創生交付金」や小規模集落の活性化策「地域再生大作戦」の廃止、老人クラブ活動強化推進事業やバス対策費補助の減額などの案に、異議が噴出。「市民に説明できない」「知事が出て思いを語るべきだ」といった不満・反発が市町から出されました。
 県議会でも、「県政改革方針」を推進する枠組みを定める、知事提案の「行財政の運営に関する条例」改正案が、①「県民の参画と協働」という文言を削除②審議会委員の定数15人から7人への定数削減③審議委員から地域代表団体を削除―するものだったため、県知事選で斎藤知事を推した「自民党兵庫」も含めほぼ全ての会派から異論・修正要求が出されました。そのためいったん提案された同条例改正案が議会最終日(3月30日)に撤回され、それらが元に戻った改正案が再提出されました。
 過去にも議案の撤回はあったそうですが外部の事情によるもので、今回のように議会からの異論で撤回されるのは前代未聞とのことでした。

●斎藤知事の公約違反が顕著です。県知事選の公約を本当に軽く扱っています。
 就任直後の9月議会で30人学級は「難しい」と早ばやと棚上げし、女性副知事の登用もせず、批判を浴びました。しかし今回の予算議会でも、副知事人事で男性県幹部を起用し、公約違反と分かっていながらまたも女性副知事を登用しませんでした。

●しかし、こうした中でもこの間、多くの県民要求が実現しました。
 中学で選択制35人学級(神戸以外で)、高齢者の補聴器購入補助モデル事業、国民健康保険の未就学児の均等割り減免、芦屋保健所廃止(分室化)が凍結・当面存続、県立学校のトイレに生理用品設置、DV被害者の県営住宅入居要件緩和が実現しました。さらに県警を動かし、受験生を狙った痴漢対策が大きく前進し、全国で大きな反響を呼びました。
 これだけの多くの成果は近年にないものです。
 それぞれ県民の世論と運動が実ったもので、声を上げれば政治は動くと示されました。それとやはり、県知事選で金田峰生候補と憲法県政の会が訴えたことが大きいと思います。
 私自身の選挙の経験からも、選挙は要求実現のチャンスです。そういう角度からも各団体が県知事選に取り組み、立ち上がる意義をつかんでいただければいいのではないでしょうか。

●もう一つ、「オール与党」が復活していることを述べます。
 昨年の県知事選では井戸前知事の正統後継者、金沢前副知事を、分裂した自民党の片方(県議会会派は「自由民主党」)と立憲民主党、国民民主党が支援し、斎藤候補(現知事)と争いました。
 ところがこの自由民主党と立憲・国民などの会派「ひょうご県民連合」は、今回の斎藤知事提案の予算に、県知事選で斎藤候補を推した「自民党兵庫」、維新の会とともに賛成しました(県知事選は自主投票だった公明党も賛成)。国民民主党が政府予算に賛成したとき「与党化した」と言われましたが、予算に賛成するということはそういうことです。
 それだけではありません。自由民主党、「ひょうご県民連合」、公明党は斎藤知事就任以降、知事提案の全ての議案に100%賛成しています。斎藤知事は助かりますよね。
 斎藤県政は自民党県政であり井戸県政の継承者なので、井戸県政与党だったこれらの党・会派がこうなるのは予想されていましたが、県知事選では対決していたはずなのに選挙が終わった途端に斎藤知事に全面賛成では、有権者はどう見るでしょうか。

●では、どうすれば県政で野党共闘が実現するでしょうか。
 やはり、国政選挙での共闘、憲法など国政課題での共闘を現場で積み重ねていくことが大事だと思います。また単純ではありませんが、県政の課題でも共闘の取り組みを探求していきたいと思います。さらに、県政での共闘を求める市民の世論が大きくなることが何より必要です。
 そして、憲法県政の会の課題ではありませんが、どうしても求められることが2つあります。
 一つは、何よりも日本共産党が7月の参院選で勝利・躍進することです。やはり野党共闘は国政が先行していて、地方政治の共闘はその影響を大きく受けますので、野党共闘の中心である共産党の躍進が必要です。もう一つは1年後の統一地方選・県議選でも共産党が躍進することです。つまり参院選でも統一地方選でも共産党が躍進することが、「オール与党」体制を変え、県政でも野党共闘を実現する一番の力になることは間違いありません。私はそういう認識を持っています。
 そのために頑張る決意を最後に申し上げ、発言といたします。皆さん、引き続き頑張りましょう。


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