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維新政治に終止符を

2015年05月20日

 大阪市の廃止、5つの特別区への置き換えが問われた住民投票(17日)は大接戦の末に反対票が上回り、橋下徹市長がめざした「大阪都構想」が否定されました。
 126年の歴史と伝統を持つ大阪市の消滅という危機に際して市民の良識が発揮され、橋下市長は政治家引退を表明しました。
 また長文ですみませんが、この結果と維新について考えてみました。

 権限も財政もはるかに劣る特別区になり、財政効果はなく新庁舎建設など初期費用がばく大にかかり住民サービス低下は必至、2度と元に戻れず、しかも「都」にはならない。先にあるのはカジノ…。
 冷静に考えると否決されて当たり前のように思えますが、橋下・維新側はでっち上げの「2重行政のムダ」を叫び、「都構想」で発展するかのように描いて「大阪を変えるラストチャンス」と最大限の改革ポーズをとりました。同時に、橋下氏がこれでもかというほど登場するテレビCM(兵庫でも放映された)、パンフレット・ビラ1200万枚以上を連日新聞折り込み、100万世帯への電話、全国からの1000人動員、大阪市による説明会の39回開催、「都構想」を美化する40ページだて大阪市パンフを170万部発行など、ものすごい物量作戦を展開しました。
 こうして「現状を変えてほしい」という市民の気持ちにつけ込み、多くの賛成票を得ました。
 
 しかし、それでも反対が上回りました。
 賛成票を投じた人は改革を望み、反対した人は現状維持を望んだという単純な見方がありますが、そうではありません。大阪を破壊する「都構想」の危険性を多くの市民が感じとったからこそ、真剣に考えて反対票を投じたわけです。

◆未曽有の危機に市民・政党が団結

 市民の反対が増えた原動力は、「大阪市をなくすな」という1点で広範な市民が立ち上がり、共同したことにあります。
 「大阪市がなくなるで!えらいこっちゃの会」、「民意の声」、若者の「民主主義と生活を守る有志(SADL)」といった市民団体から、高畑勲さんや小林亜星さんら著名人・文化人、多くの学者、大阪市地域振興会、商店会総連盟、商工連盟、医師会・歯科医師会・薬剤師会など保守系の団体までが立ち上がり、運動を展開。さらに、ビラを1人でつくり配ったという人など無数の個人が能動的に動いたといいます。
 高齢の方々が大阪市歌を合唱して「大阪市を守ろう」と誓い合ったというお話には胸を打たれました。
 
 政党でいえば、共産党と自民党、民主党、公明党が力を合わせ運動をリード。未曾有の危機を前に、市民と政党の「オール大阪」のたたかいが発展しました。新しい大阪を開く展望が生まれたといわれています。

 一方、橋下氏と維新は、この立ち上がった市民や政党の共同を「既得権益にしがみつく勢力。つぶさなくてはいけない」とののしったのでした。
  
 1つ言いたいのは、橋下・維新の大物量作戦は税金でまかなわれたことです。
 維新はテレビCM、ビラの新聞折り込みなどの宣伝戦に政党助成金を4億~5億円を注ぎ込み、また大阪市は40ページパンフや説明会、投開票事務などに9億円も使ったといわれています。
 兵庫で議員の期末手当引き上げに維新が賛成して大分批判されましたが、今回、湯水のように税金を使い、「身を切る改革」などいよいよ嘘っぱちであることが明らかになりました。

◆橋下・維新の政治とは 学童の補助金まで全廃方針

 住民投票の結果、ここ数年大阪で猛威をふるい、関西に影響を及ぼした維新政治は大きな転換点を迎えました。

 橋下氏は、以前の市民サービスを「ぜいたく三昧」と言い放ち、敬老パス有料化、赤バス(コミュニティバス)を廃止、住吉市民病院廃止を決定、介護保険料値上げで政令市中一番高く、黒字なのに国保料連続値上げ、地域の見守り活動や老人憩いの家への補助金削減、(府知事時代に)センチュリー交響楽団への補助金廃止、大阪フィルハーモニー楽団や文楽への補助金削減、市音楽団廃止などを強行しました。
 さらに、3年連続定員割れの高校の廃止を打ち出す、君が代起立強制条例制定、作家の赤川次郎さんが「なんと醜悪な光景」と言った卒業式での教師の口元チェック、市職員に街頭演説への参加や誘われた人の名前まで答えさせ応じなければ処分という思想調査と恐怖政治、「職員は市長の顔色を伺え」と言う独裁、実際に「日本の政治に一番重要なのは独裁」と発言…。

 「ぜいたく三昧」の1つに学童保育への補助金を挙げ、全廃を打ち出したことを思い出します。私も神戸市の補助金で何とか運営している学童保育所の保護者の1人なので、廃止されたら即閉所となり子どもたちは行き場を失うことはよくわかります。
 轟々たる非難の声が上がり、短期間に30数万人の署名が集まって廃止は撤回されましたが、こんな方針を思いつくこと自体、異常極まりないことです。

 公約違反もひどいものでした。
 市長選で「だまされないで下さい」と言って、無料の敬老パスについて「敬老パスは維持します」と公約しながら有料化。同じく「大阪市はつぶしません」「(行政区)24区、24色の鮮やかな大阪市に変えます」と公約しながら、市を廃止して5つの特別区に再編する「都構想」を決める等々…。 
  
 国政問題でも、「東日本大震災のがれき処理がすすまないのも9条があるから」などと憲法9条を攻撃して(9条のせいで国民は自国の平和しか考えない利己主義になり、放射能が付着したがれきを受け入れないという意味らしい)、改憲をくり返し主張。
 その一方、当初は大飯原発再稼働に反対していたのに、財界から圧力がかかった途端に「建前論ばかり言ってもしょうがない」といとも簡単に屈服し、容認に転じました。
 「従軍慰安婦は必要だった」と発言し、在日米軍に風俗店利用を勧めたことは記憶に新しいところです。この恐るべき女性蔑視と侵略戦争美化が大問題になりましたね。
 維新の浅田均政調会長が、「阪神間、神戸まで大阪都の特別区にしたい」と発言したことも忘れられません。維新は尼崎市まで「大阪都」の一部にする方針を正式に持っていたので個人の見解とは言いきれず、兵庫まで併合しようという維新のごう慢な姿勢を表わしたものでした。兵庫県民が猛反発し、当時の宝塚、伊丹の市長選で維新候補を惨敗させました。
 
 こうした維新政治をすすめるために、橋下氏らが小泉元首相と同じく、現状打開を望む人々の気持ちを利用して、とんでもない制度改悪を「改革」と呼び、さらに「税金にたかる白アリ」とののしるなど激しい公務員攻撃をくり返し、反対する団体や市民は「既得権益にしがみついている」とレッテルを張り、市民に対立と分断を持ち込みました。
 それだけでなく、こんな反市民、反国民的な政治が続いたのは、メディアに一番の責任があります。関西のメディアは橋下氏を「改革のヒーロー」的に描いて大きく取り上げ続けてきたため、関西で維新の高支持率が維持されてきたのでした。

◆大阪の共産党のたたかい

 しかし、それも限界が来ました。長年の維新政治は大阪府民・市民の反発を作り出し、反橋下のうねりが大きくなっていました。これが住民投票で反対が上回った背景にあったことは明らかです。

 日本共産党は維新について、安倍政権をはじめ自民党政治の補完勢力であるとともに「反動的逆流の突撃隊」と規定し、最初から全面的に対決してきました。
 大阪の共産党は、橋下・維新が飛ぶ鳥を落とす勢いだったとき、自民、公明、民主が維新におもねり次々と要求を受け入れていた頃でも、いっさい妥協せず、橋下・維新の実態を告発して市民の利益を守るために敢然とたたかってきました。
 兵庫の私たちではわかりにくい苦しいたたかいだったと思いますが、ついに実を結び、今回の結果をもたらしました。
 これまで、橋下・維新に泣き寝入りさせられた市民をどれだけ励ましてきたことでしょう。心から敬意を表したいと思います。

 最後に、目を引いた新聞記事を。
 読売新聞5月18日付は「維新議員らの士気の低さ」を指摘。「1人100回の街頭演説、50回の集会」のノルマが課されたがろくに動かず幹部にウソ報告する維新議員がいたことを紹介したうえで(朝日新聞19日付にも同じような記事がありました)、「都構想が実現すれば、市議の身分は17年4月の市廃止に伴って自動失職となるため、『反対多数になった方が4年間議員を続けられる』と言い、運動を怠る議員すらいた」と書いています。 
 本当だとしたら、これこそ「既得権益」にしがみつく姿ですね。
 先日の「浪速のエリカ様」をはじめこの党の議員は不祥事がやたら多いことや、橋下氏の肝入りで導入された民間公募区長・校長がセクハラ、パワハラ、不正、暴言で次々と辞職していることもそうですが、根本が邪悪な集団にはろくな人間が集まってこないということでしょうか。

 いずれにせよ、黒い雲に覆われていた関西にやっと晴れ間が差しこんだ感じです。
 「大阪都構想」断念にとどまらず、維新政治に終止符を打ち、一掃するときだと思います。これは主に大阪の課題ですが、維新が一定の議会勢力になった兵庫でも問われることです。
 そして、「住民が主人公」「国民が主人公」の本物の改革の出番です。そのために兵庫から頑張ります。

 …住民投票の応援に行っている間に、戦争法案が国会に提出されました。議会も近づいてきました。忙しい日々が続きます。


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